あっ恩田さんお宅が!うちが…!?加奈は?うちの女房は…?いるんですか?奥さん中に!?ちょっとすいません。 父や母や妻や子供や兄弟が亡くなったと思ってそのつらさや悔しさを胸に火災原因の調査をするんだ。 行くぞ!了解!火災現場は一期一会だ。 則武高橋は近隣住民及び第一発見者からの聞き取り。 それと旦那さんの恩田さんは旅行会社のオーナーをなさっています。 美津原消防署の者ですが昨夜の火災のことでちょっと…。 こちらの橋本さんのお宅と火災に遭った恩田さんのお宅って。
そして半年前に試験問題漏洩で大学を追われたらしいじゃないか。 俊介君いるかな?ええいますけど…。 ああ俊介君久しぶり。 今永谷みちる先生がどういう状況か君知ってるね?学校の帰りにあの燃えた家の前通ったらみんな噂してたから。 で先生はペットボトルに残ってた水を捨てたんです。 俊介君はな火をつけようとした先生を説得して止めたんだよ。
俊介!先生は犯人じゃない。 何?火災調査官なんかやってるうちに人を信じられなくなったんだお父さんは!俊介!!待て!おい紅。 お父さんな人を疑って火災調査をしたことは一度もないからな。 火災調査官は俺の天職であり天命だぞ。 じゃあ何で署長室に?一応な俊介のことをきちんと報告しておいたんだよ。 大学の研究室に行ってイオンクロマトグラフにかけてくれ。 はい!あの土壌からは硫酸とナトリウムが検出されました。 そしてこちらがナトリウム。 まずこのナトリウムをお皿の上に置きます。
お家の人にしかられたでしょう?そうだよね…俊介君のお父さん火災調査官だったんだよね。 やめてください先生!先生俺先生の無実絶対証明します!待って!ダメよ俊介君!余計なこと…。 ねえ永谷さん!ちょっと話聞かせてくださいよ!いいから出て行きなさい!ここは君なんかが来るところじゃない!お願いします!先生の無実証明したいんです!!お願いします!!俊介!お前何やってんだ。 でも無実の人が犯人になるよりいいじゃないか!あの人だって奥さんを死なせた本当の犯人知りたいと思ってるよ!俊介想像力を持て。
あっ!!危ない!早苗さんどうしたんですか?円が帰ってこないんです!ええっ?俊介君の様子が変だからちょっと見てくるって出かけたままこんな時間まで…。 俊介も一緒なんでしょ?大丈夫ですよ。 ああっ大丈夫ですか!?私捜索願出してきます。 ああっわかりました!自分が捜してきますから早苗さんは家に戻っててください!何でよ!何でみちる先生のことになるとそんなにムキになるの?どうしてこんな暗い絵を描いたのかな?絵ってさ描いた人の気持ちが正直に表れるものなんだよね。 お父さんは火災調査官だ。
離してよ!橋本さんこれどういうことですか?どうしてこんなところに硫酸とナトリウムがあるんですか?知らない。 私が何をしたって…!あなたの勤めている大学の化学実験室から硫酸とナトリウムが盗まれたんですよ。 じゃあなぜ車の中に硫酸とナトリウムがあったんだ!あいつだ。 永谷みちるが私の家と恩田の家を間違えて火をつけ硫酸とナトリウムを私の郵便受けに置いたんだ。 あんたの研究室から硫酸とナトリウムの数が合わないという通報があったんだよ。
お前達が先に硫酸とナトリウムを見つけたのは警察が消防官を使って違法捜査してるんじゃないかとまで言い出してな。 ちょっと訊いていいか?何ですか?お前永谷みちるが犯人だったら消防官辞めるつもりか?どうなんだ?そのつもりです。 ちゃんと褒めてやれ!!「奴が教授になったら天国の弟はどう思う?」「止められるのはお前しかいない」あいつは教授選に出るの!?ああまあそれは警察のほうも証拠不足で手が出せないっていうか…。 そんなことより我々東都日報としてはですねもう一度弟さんの試験漏洩の事実を…。
円がね俊介君のことが心配だって言うもんだから一緒に様子を見に来たんですよ~。 いいな!父さん!どこ行くんだよ?紅さん!すっぴん見たからには責任取ってもらいますからねー!まず今回の火災をこのミニチュアを使って再現したいと思います。 しかし残念ながら奥さんはこの密閉されたアトリエの中で一酸化炭素中毒を起こし亡くなってしまいました。
火事でもないのに一酸化炭素中毒ってそれは一体どうやって?簡単です。 一酸化炭素を吸わせたんです。 一酸化炭素には酸化還元作用というのがあるんです。 この空気ボンベの中に一酸化炭素が入っていたんですよ。 お前が奥さんの仕事に使うからと嘘をついて一酸化炭素を購入したのはもうわかってるんだよ。 自宅に戻ったあなたは司法解剖の所見を火事による死亡だと見せかけるために奥さんもクロロホルムで気絶させ…。