脳神経外科医坂井信幸の見た目はまるで大きな熊のようだ。 このコイルによって動脈瘤を防ぎます。 この日も50歳の女性が坂井のコイル塞栓術を受けようとしていた。 脳の奥深く右目の背後を走る血管に縦13ミリ横6ミリの巨大な動脈瘤が膨らんでいる。 坂井は更に細いカテーテルを取り出し慎重に動脈瘤の根元に近付けていく。 続いて動脈瘤を埋めるコイルの出番。 脳動脈瘤っていうものはどういうものなんですかって聞いた時に…。 しかしその脳動脈瘤は極めて厄介なものだった。
くも膜下出血を未然に防ぐ脳動脈瘤の手術法がもう1つ。 その根元をクリップで確実に挟み血流を止めてしまう事で破裂の危険を封じるという方法です。 周囲の神経線維や血管を傷つけずこぶの根元をクリップで留めなければならない。 加藤は2本のクリップを使うやり方を選んだ。 使用されるクリップはあらゆる状況に対応出来るよう形サイズなど実に170種類が準備されていた。 加藤は利き腕ではない左手で最初のクリップを受け取った。 周囲に影響が出ない事を見極めてゆっくりとクリップを閉じる。
天野の名は天皇陛下の狭心症を治療した執刀医として一躍世の中に広まった。 多い時は1日に4件の手術が天野を待っている。 天野は難しいといわれていた超高齢者の心臓手術にも人工心肺に頼らず心臓を動かしたままオペを行うやり方だ。 鼓動する心臓にメスを入れる技術で天野は他の追随を許さない。 心臓弁膜症とは心臓の内部にある弁が正常に機能しなくなる病。 人工心肺から心臓に血液を戻し血流に漏れがないかを確かめる。 その無念が天野を手術室へと駆り立てた。 このあと真価を問われる難手術が天野を待ち受けていた。
一触即発の動脈瘤。 東京慈恵会医科大学附属病院血管外科。 大木の元には動脈瘤の不安を抱える患者が後を絶たない。 中には直径が16ミリにも及ぶ巨大な動脈瘤もあった。 まずは血管に造影剤を入れ動脈瘤の状態を確認する。 すい臓の動脈瘤は血管が複雑に交わる辺りに大きく膨らんでいた。 続いて右側の腎臓に出来た動脈瘤。 すい臓の動脈瘤の摘出は終了した。 先ほどと同様に血流を止めたうえで動脈瘤を切除。 血管外科のエキスパート大木医師は東京銀座のクリニックでも診療に当たっています。