忠相…滝尾の詮議の次第は?楓なる腰元はひと月前大奥出入りの呉服商に頼まれ部屋子にいたした由まさかあのような女とはと動転し上様に御目文字いたす顔がないと寝込んでおります。 この小太刀は薩摩藩主島津継豊様のご息女佐知様のご依頼でお作りしたものでございます。
わらわの意地じゃ!なるほど…すると佐知姫は江戸家老の策謀に踊らされて…。 そうだったのか…!貴様たちが殿と姫様を裏切って…日本最南端に位置する薩摩藩はその領内に他国者を絶対に入れないという鉄の掟を守っていた月に一度は必ず寄こす筆まめな娘であったのに…。 ご家老様明晩薩摩より藩御用船が入りまする。
実は私薩摩藩主・島津継豊の娘佐知と申します。 徳田殿…ここは?薩摩藩物産方管轄の蔵です。 蔵に薩摩からの荷を運び込んでいるのが藩御用商人の南国屋です。 誰だそこにいるのは追え!わかりましたか江戸家老伊集院帯刀の本当の姿が…。 なぜです?あなたは何も知らない!吉宗公の卑劣な仕打ちの数々…!吉宗公は薩摩藩を潰すためなら姫…霞の七兵衛は殺されました。 黙れ!…何者だ?うつけ者!余の顔を見忘れたか!あっ!上様!薩摩藩江戸家老・伊集院帯刀…その方抜け荷の露見を恐れ藩主・継豊の江戸入りの妨害をせし罪…軽からず。