千々岩様に届ける賂の多寡によるものとの噂を聞きその真偽を確かめんとしたところ美濃屋なる商人が…。 〔賂の多寡によって工事が決まるなんてこんなバカなことがあってたまるか！私は近いうちに作事奉行の千々岩様をご公儀に訴えてやるつもりだ！〕〔旦那めったなことを言うものじゃありません〕私は事の次第をお目付殿に話し千々岩様と美濃屋のつながりをお調べ願いたいと申し出ました。
北川右近…何故久保田をつけている？あなたは…？目付の須藤軍十郎だ。 私も父の遺品を調べていたところ日記の中に「大柴道場の久保田に不審あり」とあるのを見て…。 頼むかくまってくれ！お待ちください！ここには動かせぬ病人が…！ええいそこをどけ！何卒…！お役人何をしておられる？貴様何者だ？この伍助の知り合いで旗本の三男坊徳田新之助という者だ。 私は作事奉行配下の亡き北川多門が一子・右近と申します。 右近様…お引き受けしたからにはご心配はかけません。
あの右近様が…！北川右近はお前とおひさの実の子平太が成長した姿なのだ。 あの右近様が…！あの凛々しい若侍が平太！よかった…！あんな立派なお侍の家にもらわれて…！行って名乗ってやれ。 徳田様私は平太に…いや右近様にお会いすることはできません！私どもの都合で名乗り出るわけにはいきません！徳田様…私どもは遠くから右近様を見守ることができればそれでじゅうぶんなのでございます…。