これお前の創作料理かよ？そうだよ。 お前エジプト料理か何かかと思ったよ。 もちろんねそのエッセンスも込めてあるけどあくまで私のオリジナル。 いかがですか？複雑怪奇な味…ですね。 ね？微妙に美味いでしょ。 え？うんイケてるじゃないか！微妙なんてもんじゃねえよお前！ホントですか？うん美味い。 言ったろ？課長お前の料理に高評価なんだよ。 でもたったひと月でパート５なんてその努力がすごいわよね？くどいようだがこちらの美女があんたの元嫁さんてホントか？そんな美女だなんて…。 複雑怪奇な味は相変わらずですねぇ。
本当におトイレはよろしいんですか？は？いやてっきりおトイレを我慢されているのかと思ってました。 トイレを我慢なんかしてませんよ。 そしてトイレの中の奥様を発見された。 つまりあなたは帰宅してすぐにトイレを開ける必要に迫られていたと考えられます。 おトイレを我慢していたと思うじゃありませんか。 しかしトイレを利用するのが目的ではないとしたらどうしてあなたは鞄をここに置いたのでしょう？汚れ物ですよ。 一種の時限装置になりますよ。
殺癌ウイルス？癌細胞に取りついて中枢部を破壊するウイルスです。 ではあなたは出張中何度もご自宅に電話をなさってますよねぇ。 なぜならば奥様が電話に出られない状態である事を確かめるために電話をしていたからですよ。 だから何度も電話をかけて奥様が出なくなるのを…待った。 でしょ？恐らく４日目あたりに奥様はもう電話には出られなかったんじゃありませんかねぇ。 念のために５日目も何度か電話をかけてあなたは確信なさったでしょう。 だから６日目以降はピタリと電話がやんでいるんです。
浮気？同じ職場の池谷美由紀さんご存じですよね？ほう～。 でもね池谷美由紀さんはあなたとの交際をお認めになりましたよ。 けれどあなたにとって伊達眼鏡などどういう用途があるのかとちょっと疑問に感じたんです。 眼鏡１つにどれほどの変装効果があるかはわかりませんががいかんせんかけ慣れない眼鏡。 いやあの…ご主人の留守中に奥さんが男を引っ張り込んだって事ですか？先ほど浮気話が出た時ピンときたんです。 またこの一件の殺害動機が浮気である事も間違いない。
爆弾としてはごく単純な作りですが構造が独創的というかユニークというか意味不明というか…。 死亡した折原忠志は金融会社の営業担当で主人は人を殺した事があるので。 金融会社の担当だったのが折原であそこが事件現場ですね。 興味深い犯人像ですねぇ。 小規模の威力でも折原が即死したのは爆発物の至近距離にいたから。 犯人は折原が爆発物に接触するタイミングを狙ってまた来てるんですか！？ちょっと！あさらないで！いつもと同じです。
広人の仕事道具でしたから。 すみません取ってください！はい！いくよ！ありがとうございます！どうした？どうした？広人。 大丈夫だよ。 惜しかった！そろそろ学校来ないか？広人。 広人…。 待ちなさい！毎日毎日何やってんの？蒲田の…村川電機製作所ってとこで部品作ってる。 え…？今日正式に採用になったから歓迎会。 面接の時広人に聞いたんだって。 わたくし折原忠志の弁護を担当しているものです。
仮にもしここが何かの犯行現場だとしてこれほど完璧なクリーニングをされたらどんなに精巧な科学捜査をもってしても証拠物質の１つも検出出来ないだろうと。
戻るんですか？彼女を逮捕してくださいよ。 自分がやったって！え？バラバラに出来て最高だって！何言ってんですか？落ち着いて。 革命家先生。 警察の間違いだったってお母さんに言うんです。 警察官の矜持に反します。 あのね取り調べた結果健造無実だったって。 警察の間違いだったって謝りに来たの。 富田寿子の古い知り合いや亡くなった息子さんの旧友などに話を聞いて回りました。 捜査本部のあとをなぞってご苦労さまです。 Ｎ？過去２年間に及ぶ彼女の車での行動を考察します。
あの…人を捜してるって証人の事ですか？富田寿子がたった一人ですべての犯行を遂行出来たでしょうか？人間その気になれば出来るんでしょう？しかしまた限界があるのも事実です。 採石場？爆弾を使って完全犯罪をなそうとするならば爆破実験は欠かせないんじゃないでしょうかね。 この会社の出資者の令嬢でいらっしゃるきれいな奥様と目下就職活動中の女子大生のお嬢様。 南雲幸次郎の証言が取れれば富田寿子を落とせるはずです。 しかも彼女はもう１つ爆弾を所持している可能性があります。
家宅捜索の狙いはなんだったんです？もちろん証拠を見つけ富田寿子を逮捕し第２の爆発物を確保する事です。 ここまで完璧にクリーニングしたら証拠物質ひとつ検出出来ない。 ほうなぜ？第２の爆破なんてあると思います？富田寿子は既に目的を達成しています。 少年野球のグローブやバットそれにユニホームスパイク…。 結局家宅捜索でも出ませんでした。 古着屋に行ってみたんですが残念ながらそれらしき野球帽は既に売れていました。