鶴姫様と親しくなられるのは結構と存じます。 ただ今大奥御年寄月島様お越しにございます。 先日は鶴姫の目に余るご無礼の数々月島鶴姫に成り代わってお詫び申しあげます。 では…上様には鶴姫にご好意を持たれたので?頭がきれるうえに気性の激しいところがいい。 しかしその五六蔵は大岡越前守様のお裁きにより終生遠島を申しつけられた者。 五六蔵!五六蔵はおらんのか?…はい!ありがとうございます!くやし~い!ちょっとあんた!何だ叩いたなちょっとちょっと!二人ともやめてくださいよ!ここはひとつ仲直りを!あ新さん!やってるな。
聞けば大岡殿配下の水谷小十郎なるものが誤って終生遠島申しつけられた者にご赦免の沙汰を…。 その盗賊の名は?“霧の半兵衛”一味の残党で五六蔵と申す者にございます。 ご赦免船は江戸に着き五六蔵は行方知れずとなっております。 即刻水谷にはお役御免を申しつけましたがいずれにせよ私の失態は免れません。 月番の大和と協力して何としても五六蔵を捕らえるのだ。 以前おかみさんがお縄にした五六蔵って無宿者です。 五六蔵の奴許せねえ!そいつがおかみさんを恨んで刺そうとしたところへ頭が…。
では鶴姫様は外出した八十吉のあとをつけたと?そうとしか考えられんのだ。 血気に逸って鶴姫様にお怪我でも…?俺もそれが心配なのだ。 女大学の千鶴殿がお見えに…。 あれほど「動かないように」と申したのにいったいどこへ?せっかくいい知らせを持ってまいったのに徳田殿がお怒りになるなら申しません!千鶴殿。 御用だ!御用だ!五六蔵御用だおまちを殺したのはこのおぶんだ。