森江先生も法律家の集いに？法律家の集い？ええ。 菊園検事は東京地検を代表されましてこのセミナーにパネリストとして出席されるんです。 弁護士会代表は…森江さん？まあ弁護士会としてもそれなりの代表をご用意されたんでしょう。 弁護士…！？森江君が弁護士？一応ね。 でも…へえ～森江君が弁護士とはねえ〜。 柿本は医大の准教授で長谷部は東八王子の市議会議員だってさ。 当選したら顧問弁護士にしてもらってくださいね。 国会議員の顧問弁護士なら他の依頼人だって増えますよ～。
♪～『カナダからの手紙』♪～「ラブ・レター・フローム・カナダ」♪～「もしもわた…あなたが…一緒に居たら〜」♪～「どんなに楽しい旅でしょう」♪～「色づく街を…」♪～「歩いていると〜」♪～「こぼれてきます」♪～「今はダメよ我慢なさって」長谷部ちょっと遅くないか？電話してみるか。 あぁ…！は…長谷部君！？ちちち…違う！おおお…俺じゃない！じじ…事務所戻ったらこいつ…なな…永井が死んでたんだ。 まずは何があったのか選挙事務所で死体が見つかったらどれだけ大きなスキャンダルになると思うんだ…。
被告人は一貫して犯行を否認しています。 裁判員も否認事件には慎重になるでしょう。 はいっ…はい！物証と状況証拠は十分だけど問題は犯行の動機ね。 先生本当に信じてるんですか？長谷部さんの言い分。 起立！それではこれより被告人長谷部直樹に対する審理を開始します。 「公訴事実被告人は平成２２年３月８日被告人に聞きます。 今検察官が読み上げた事実について何か言いたいことはありますか？私は永井和夫君を殺してはいません。
これは何に使ったお金ですか？異議あり！検察官の質問は本件とどのような関係…。 先ほど弁護人の質問に対して永井さんとは同窓会で会っただけだと言いましたが本当は同窓会よりも前にこの漫画喫茶で会っていた。 会っていたんですね？渡した封筒は当日銀行からおろした１００万円ですね？つまりあなたはなんらかの理由で永井さんにお金を脅し取られていた。 お見事！どうしてほんとのことを言ってくれなかったの？永井君とほんとは何があったの？ねえなんで永井君に金を渡したの？僕にも言えないの？殺してないのはほんとだ。
長谷部君は永井君を殺してはいない。 同級生だからじゃないよ！刑事裁判の被告人はね孤独なんだよ。 被告人にとって弁護人は最後に残された唯一の味方なんだよ。 検事長野県警からこんなものが届きました。 死体の身元は永井和夫４６歳。 彼は永井君じゃなかった…。 永井じゃない…？はっきりしたことはわかんないんだけど本物の永井君は４か月前に亡くなってたっていうんだよ。 中学高校の時に治療した歯が残っていましたから永井和夫に間違いはありません。 検事！本物の永井の最後の居場所がわかりました。 永井和夫永井和夫…。
もう１人奈良橋治さんという人が一緒です。 本物の永井と偽永井は越冬支援村で知り合ってたんですね。 迅速集中徹底！俺の事務所で死んでたのは？沼沢祐介という男だった。 永井じゃないならどうして八王子川のことを…。 八王子川？八王子川ってなんのこと？それが今度の事件に関係があるんだね？あっ…あったこれだ。 話ってなんだ？ああ…あのさ村山君って覚えてるかな？正直村山君がどんな子だったか覚えてないんだよね。 八王子川行ってきたよ。 村山君は？その偽の永井が現れたのは２月の半ばだった。 永井和夫。
でも長谷部君が…。 長谷部のことにはもうかかわりたくない。 過去の罪は長谷部君がこれから生涯かけて償っていくことになる。 でもその過去をちゃんと告白したのなら今回の事件本当に長谷部さんはやってないっていうことになりませんか？うん僕もそう思う。 長谷部さんが本当に無実なら真犯人は別にいることになります。 長谷部さんと同じ理由で脅迫されていた。 結局長谷部君以外には不可能な犯行だったんだ…。 訴因の変更により中断されていた被告人長谷部直樹に対する審理を再開します。
被告人の長谷部直樹ですね？それは何時頃ですか？たしか工事が始まって１時間ぐらいたっていたので８時２０分頃だったと思います。 救急隊員の人は屋上から背負って下りてきたんだよね？いや最初からストレッチャーでビルに入っていきましたよ。 身投げ…！？証人のご職業と被告人との関係を教えてください。 カラオケボックスから戻って死体を発見したのは何時でしたか？８時４０分頃だと記憶しています。 被告人はカラオケボックスから先に１人だけ抜け出したんですね？はい。
隠し部屋！？これはなんですか？証人にはわかりますよね？何に使う鍵ですか？エレベーターのトランクの鍵です。 エレベーターのトランク？私も今までは知りませんでした。 小型のエレベーターにはトランクのついているものがあります。 その時に…エレベーターのトランクの鍵も借りましたか？事件のあった夜カラオケボックスに向かう時に最後にエレベーターに乗ったのは誰ですか？…私です。 そしてカラオケボックスに向かう時…。 ボートに乗せたのは証人と長谷部君だった。 長谷部君の記憶は間違ってるんです。