被害者はこのアトリエの持ち主である立花隆平のモデルをしていた女子大生でした。 第一発見者の立花はこの上のアトリエで絵を描いている最中に女子大生が誤って階段から転落したと主張しています。 事故か殺人か微妙だ…という意味でしょうか？救急車を呼んだ時間も気になるところでして…。 というと？死亡推定時刻は午前０時３０分から１時３０分の間なんですが立花は午前２時に救急車を…。 あなたは３０分の間何をされていたのでしょう？吉妙子さんの死亡推定時刻は午前０時半から１時半の間です。
彼女が階段から転落した拍子に甲冑は倒れた。 今の音なら２階で仕事してても…！被害者が階段から落ちた時全く気づかなかったって言いましたよね？どういう事です！？いやそれは…。 指紋？甲冑を元に戻した時の指の跡はありましたが立花隆平の指紋は検出されません。 しかし吉妙子さんが階段から転落した拍子にそして立花隆平が甲冑を元に戻したのも間違いありません。 手袋をしてたんじゃないんすか？瀕死の状態の吉妙子さんを目の前にしながら手袋をして甲冑を元に…その冷静さ妙ではありませんか？言われてみれば変ですねぇ。
なるほど…あではその手袋はまだアトリエに？ああ…あるはずだ。 で近々マロニエ出版から画集が出るんですが画家生活２５周年と謳ってるのは表向きで実際は結婚２０年を記念した画集だそうですよ。 カミさんの実家が資産家で長年先生のパトロンだったらしいんですよね。 立花隆平さんの話ですか？はい。 立花隆平の携帯電話の発信記録調べておきました。 立花隆平の奥さんにも話を聞いてみる必要がアトリエですがすばらしい邸宅ですねぇ。 「また」とおっしゃいましたが以前にも何かご主人が問題を？泥棒騒ぎですわ。
では身に付ける物もすべて奥様のご趣味で？どういう事？アトリエに伺った時クローゼットの中のシャツがすべて白でしたしここに写っているご主人もすべて白いシャツを着てらっしゃる。 私にとって立花隆平はいつまでもキャンバスと同じ白い存在でいてほしかったんです。 立花隆平は私の作品でしたの。 でもいくらシステムったって事件の起こったさなかに電話しますかね？確かに妙ですねぇ。 画集の出版先は立花隆平が長く付き合いのあるところですか？ええ。 マスターの趣味が骨董集めでしてね僕は鑑定士の役目を負わされています。
犯行時間は割り出されていますか？はい。 それから４時間半後の午前３時半新聞配達の大学生が異変に気づき通報しています。 という事は犯行時間は午後１１時から午前３時半の間。 立花隆平さんと最後にお会いになったのはいつでしょうか？え～昨日まで出張でしたので出張の前の日です。 これが友人から被害者に返信されたメールです。 え…１人って…？どういう事ですか？あの夜吉妙子は１人でアトリエにいたって。 それは立花隆平がそう言っているだけで何も立証されていません。 この絵は立花先生の絵である可能性が高いですよ。
そしてあなたは小原さんが大阪へ出張している間に友達とのメールのやりとりの中で彼女はあの時アトリエに誰もいなかった事を書いてます。 あっ…！？何するんだ！？あなたがいつものように奥様に電話を入れこのアトリエに戻ったのは彼女がここで息を引き取った直後でした。 梅野正美…！５年間行方不明でしたが半年前筑波の山の中で白骨死体として発見された梅野正美さんではありませんか？私は関係ない！関係ないとは言わせませんよ！！これらが…２階のアトリエで描かれたものだという事は誰の目にも明白です。