あれ？杉下警部は？ああ警部殿ならついさっき出ていったけど。 置いてきぼりかよ！被害者はこの家の住人で吉野湘子さん４１歳。 ペンネームは水元湘子だそうです。 被害者の携帯電話です。 被害者の夫は出版社の社長だそうです。 読んだ事あるんですか？いえ読んだ事はありませんが確かオリオン文学賞を受賞した被害者の代表作のはずです。 こちらが検視の結果とそれから水元湘子の私物です。 被害者の携帯電話からメールが送られています。
熱烈な水元湘子先生のファンで新刊が出る度に…川芝直哉…。 という事は岡崎さんは水元湘子さんの…。 これ全部水元湘子がらみのものですよ。 川芝は熱狂的な水元湘子のファンでネットに殺害をほのめかす書き込みまでしていました。 水元湘子さんのご実家は大分建設の創業者一族という事ですか。 １か月ほど前昨日亡くなった小説家の水元湘子さんが笠井さんに取材されたのはご存じでしたか？ご自宅のマンションの方は引き払われたんですね。 小説家の水元湘子さんをご存じですか？ええ。
つまり水元湘子さんは空港周辺の環境が汚染されていた事を…どこかで突き止めていたのでしょうかねぇ。 じゃあ水元湘子さんはその結果を笠井宏樹さんにぶつけて釈明を求めた。 これは完全に環境破壊ですよね？笠井も今の私と同じような話を水元湘子さんにもお伝えしていたはずです。 今のお話を水元湘子さんが小説で発表されたとしたらこちらの会社としては航空燃料に不純物が入っていた問題すでに解決済みでしたから。
この会社は大分建設から融資を受けているんですね？水元先生の小説を出版している縁で夫の吉野茂久によれば午前３時１０分にメールを受け取ったと言っています。 事件の夜この部屋から水元湘子さんの携帯電話を持ち去りアリバイ工作をし死体発見時に部屋に戻したのはあなたですね？よしじゃあ続きは本庁で伺いましょうか。 室内も仕事部屋もきちんと整頓されしおりが挟んであったページは物語の終盤ヒロインが自殺をする場面です。 あらかじめ用意しておいた文面を被害者の携帯電話から送り…。