奈津は流罪…月島殿は罷免のうえ閉門蟄居が当然かと存じまする。 大奥の慣習をかたくなに守ろうとする綾瀬殿は苦々しく思っているのです。 では大奥の実権はすでに綾瀬殿の手中に…。 あのとき奈津が自害を遂げておれば…月島殿は罷免になっておったのじゃ。 でも仮に町中にて奈津が青木半十郎と心中事件を起こせば再び月島殿の立場は苦しくなりましょう。 綾瀬殿が大奥の権力を完全に握ればこのお屋敷は金銀財宝で埋まりますぞ。 上様綾瀬殿は小普請奉行・須藤大和守殿と時々会っております。
これはどういう了見だ？まことに面目次第もないが実は叔父上の話だと任官を望む者が多くて順番待ちだそうだ。 甲府帰りのくせにかっこつけんじゃねえ！火消しは引っ込んでろ！何でえこの野郎！♪～待て！半十郎あとのこともあるから話をつけてくる。 あなたが青木半十郎殿ですか？そうですが。 では何故会ってあげないのですか卑怯じゃありませんか！まさかお奈津さんを騙したのではないでしょうね違います！では世間体を気にしているのですか？私はお奈津に言いました。
「取り急ぎ一筆申しあげ候」「今宵屋敷にて再会いたしたくぜひぜひお越しくだされたく願い上げ候…！実の母綾瀬より」♪～綾瀬様…。 綾瀬様が…♪～実の母…！そんな…バカな…！たとえ罠でも…私は綾瀬様にお会いいたします！待てお奈津！奈津！綾瀬様…！いや…そなたの母はただ一人…こんなに美しゅう育ててくれたおかくじゃ…！わらわには母の資格はない…。