やっちまえおい船改めだ！過日の石見国大森銀山の騒動の件に関しましてご報告申しあげまする。 大森銀山より尾道へ向かう道中赤名峠の馬替えのおり荷駄三頭銀六十貫目の木箱が瓦礫の入った木箱とすり替えられましたが役人が逃亡途中の盗賊一味を発見全員を討ち果たして盗まれた銀は無事戻ったよしにございます。 昨夜佐知様がお屋敷に戻られる途中火事騒ぎに巻き込まれ印籠の家紋がはっきりしていればよかったのですが…。
たとえ道場仲間でも吠え面かくな覚えてろよ！さあうまい酒でも飲むか！いいですなあ！旗本四千石寄合席の若侍です。 …で友之進は今どこに？しかし病のために御役御免を願い出て寄合席となり死んだ。 大名の姫君？先夜火災のおりに貴殿に助けられた姫君だ。 「料理茶屋に向かって人魂が飛んだ」って言うんだな？井伊兵部少輔の妹君のことはあやめに聞きました。 佐知姫様の見初められた相手のことまで気にかけられる上様のお優しさいつもながら敬服いたしておりまする。
赤猫の千蔵！お前が豊栄屋久兵衛に頼まれ深川の料理茶屋を忍びの火矢で爆発炎上させたことはもうわかってんだ。 豊栄屋が船で江戸に運び込んだものは奥州梁川陣屋の代官と元締手代が支配地の半田銀山で横領した銀百貫目。 背後で絵図を描いた者がいるだろう？そいつは誰でいいやああの石見銀山の荷駄三頭銀六十貫目の木箱瓦礫の木箱とすり替えたまではうまくいったが馬が倒れて木箱が壊れてすべての計画が水の泡。