どこが面白いんです?どこがって全部ですよ!どうせあなたはご存じないかもしれませんけどねこの十日市線ってのは盲腸線であるがゆえに廃線間近といわれており資料的な価値も非常にあるんですよこれには!ね?大切なんですからこれは!ちょっと失礼…。 国土建設省の官僚三島章さんが仕事中に突然姿を消し翌17日同じ霞ヶ関の外れのビルの谷間で転落死体として発見されたという出来事がありました。
三島さんのことを訊くのにどうして高速道路の担当者と会うんですか?三島さんは当時橋梁建設計画に携わっていて同時に複数の橋を担当していました。 新西多摩橋韮山橋第二関谷陸橋…。 その中の新西多摩橋は新しく出来る高速道路第二関越に繋がっています。 え~とお電話では5年前のことを聞きたいとお伺いしましたがどうして今頃になって…?実は失踪当日三島さんが妙な場所にいらっしゃった可能性が出てきまして。
これが建設予定の第二関越高速ですか?そうです。 国土省の三島さんという方なんですが。 国土省の人なら何度も交渉で来てますけども三島さんじゃなくて片倉さんって方ですよ。 しかし施設を開設してすぐに建設予定地になってしまうとは不運でしたねぇ。 敬葉園という施設の交渉記録に記載がありました。
しかし不正の疑いがある限り二課が追求するのは当然では?お前達はなんにもわかってない!かつての二課の捜査は多少強引で行き過ぎな点も…。 どうかなさいましたか?実は三島事件の資料をお渡ししてからというもの背中に悪意ある3人組の視線を感じておりまして…。 人に頼んで切符だけ手に入れるなど鉄道ファンとしてはこれ邪道極まりないのですが何分にも十日市線は一度乗ると最低でも2時間は戻ってこられないもんですからねぇ…。 今なんとおっしゃいました?十日市線は一度乗ると最低でも2時間は帰ってこられないと。
官僚が立ち退き反対を手伝う?三島さんはこちらにいらっしゃってたんですね?三島さんには申し訳ないんだけどもう疲れました。 警部補殿はまだ特命係がおわかりになってないようですね。 亡くなった三島さんは国土省の職員でありながら施設立ち退き反対に協力なさっていたそうですね。 官僚が反対住民に協力…?第二関越をめぐる官製談合…。 一緒に写ってるのは道路公団と岳井建設の人間だ。 いただいた情報によって今国土省の人間が取り調べを受けています。 何度かお会いした印象では彼は大変慎重な人間です。
だとすると三島さんは転落死体として霞ヶ関で発見されています。 …というのはどうでしょう?ここでですか?ええその場合三島さんが秘密裏にどうして私が三島さんを殺さなきゃならないんです?前にも話したでしょう。 三島さんはむしろ私らの味方だったんですよ。 確かに三島さんはお年寄り達の味方だったのでしょう。 ところが三島さんの目的が第二関越の建設計画見直しにあるということがわかり途端に邪魔になったというわけですよ。 三島さんはこの枯れ井戸に落ちて死んだんです。