♪~捜査本部がローズファイナンスから200万円の借金をしていて普段毛筆を使っている人間に絞って捜査を進めたところ足立区弘道3丁目で美術工芸店を営む尾高隆二51歳が捜査線上に浮かび上がりました。 あの…尾高さんですね?捜査本部はすぐさま任意同行を求めたが尾高隆二は犯行を頑強に否認しました。 この紙に「山崎氏に二百万円の返済期限の延長交渉」と書いてください。 「山崎氏に二百万円の返済期限の延長交渉」と。
何度も聞かれたと思うんですけど発見当時の様子を教えてもらえませんか?有紀先生ドタキャンなんかしないのに夜7時開始の撮影に来なかったんですよ。 山本有紀の助手第一発見者の久保田啓太27歳はマルガイと肉体関係にありました。 山本有紀の男性関係それに伴う女性関係を徹底的に調べて各自のゆうべのアリバイを洗ってくれ。 「山崎氏に二百万円の返済期限の延長交渉」あー当時の鑑定結果は…。 すなわち同一人物の記載であるという鑑定結果が出ました。
尾高隆二氏が取調室で書かされた方のメモには明らかに墨つぎの跡がみられるのよね。 尾高隆二は普段から店の目録やメモを記すのに筆ペンなんだよ?逆ならわかるけどな。 それから捜査一課からはまだ若かった木下君が尾高隆二の取り調べを担当した。 じゃあ「山崎氏にニ百万の返済期限の延長交渉」尾高が用意した筆ペンでは書けない。 江戸時代?かもじといって漆細工の漆刷毛という刷毛に使われる髪の毛だったんです。 山崎さんは私のこさえた蒔絵をだが坂井には事件当日山に漆をとりにいってたというアリバイがあるんだ。
で話とは?ええ我々が手がけてる女性カメラマン殺人事件と片岡が一課長に再捜査を命じられた23年前の尾高事件を合同で捜査したいと思います。 というと?今回多摩川で発見された死体はあきる野高校教諭で書道部の顧問井上絵里33歳だったんですが彼女は尾高隆二の国選弁護人井上義男の娘である事が判明しました。 それに気づいた片岡の進言で調べたところ女性カメラマンの山本有紀は筆跡鑑定をした検察側の証人元科捜研技官山本博康の娘だったんです。
「私書道の面白さに改めて目覚めた」「男よっかいいよね」ねえねえ山本有紀以外のメールないの?問題はこれです。 えー…尾高隆二の家族は妻尾高美智子当時46歳。 尾高の店舗兼自宅は足立区五反野の商店街にありました。 そのため店は閉店を余儀なくされ妻の美智子と娘の華子はその後娘の華子は?転校先の高校を卒業したあと1人で東京に出てます。 弁護側の鑑定人だった佐光真一本人ないしはその家族。 佐光真一は現在でも池袋で佐光印刻店を経営していて本来の仕事をコツコツと続けています。
「杉原のおじさんお世話になりました」「私なりにいろいろ考えましたがどうしてもこのままでは気が済みません」「思い切って東京に戻って1人で強く生きていきます」「そしていつか父の無実を証明して母親の命日に現金書留で送ってくるだけか…。 尾高華子は東京のどこかで生きている。 火事の時二十歳になったばかりの娘さんが焼け死んだんだけどあっお待たせしました。 身長など身体的特徴や大家さんの供述から遺体は5号室を契約していた尾高華子さん二十歳と特定されたんです。 尾高華子と特定?ええ。
鑑定人は捜査の水先案内人だって言われていますよね。 あれがもし…その殺人現場に落ちていたメモをお手本にした誘導的筆跡採取だったとしたら…。 やはり尾高隆二は冤罪だった。 真犯人は尾高隆二の筆跡をまねしたメモをあらかじめ用意し犯行後金庫の中から尾高隆二の借用書1枚だけを抜き出しそのあとメモをわざと現場に置き去った。 元漆刷毛職人の大橋義治とうーんでもこの2人にはアリバイがあったんですよね。 アリバイ再捜査のポイントは…。
死んだとされた尾高華子から末永仁美となって新しく生き直そうと決意した。 もしそうだとすると今回の連続殺人事件も全てつじつまが合う。 末永仁美は美濃に住んでいた。 間違った筆跡鑑定と控訴に消極的だった国選弁護人に見殺しにされた男。 それもこれも父を見殺しにした井上弁護士と山本鑑定人佐光鑑定人のせいです。 例の連続殺人事件は君がやったんだろ?山本鑑定人の娘の有紀さんと井上弁護士の娘の絵里さんは2人とも父を冤罪に落とし込んだのと同じ凶器の硯で…。 なぜ井上弁護士と山本鑑定人の2人を直接手にかけなかったのか。