血圧124の66サスペンション98バイタル安定しています。 先生!小林先生!大至急手術室に来てください!手術中に?うん手術ミスじゃないかってもっぱらの噂だ。 自信あり?自信あり?手術中に亡くなった方のご遺族です。 業務上過失致死立派な刑事事件です。 でも手術したのは息子さんなんでしょう?息子であろうと誰であろうと法律は変わりません。 はいもしもし?帝都新聞の奥寺さんでしょうか?はいそうですが?私武蔵野青木外科医院で勤務医をしている…ええ。
武蔵野青木外科医院は平成2年の開業ですか…。 で裁判沙汰のあと神奈川の育英会中央病院に移ってますね。 はい?君がもし患者だとしたら院長先生に手術を頼みますか?は?過去に2度医療ミスを犯した院長先生にです。 ならば院長先生のお父さんは命が惜しくなかったのですかね?だとすると…。 疑問?院長先生のお父様ですよ。 要するに急遽院長先生が執刀する事になった訳ですね。 はい?院長先生のお父さんですよ。
たしか院長先生のお父様はかなりの資産家では?あそっちのほうも調べてきました。 となるとお父様の遺産は院長先生が確かに商品相場をおやりになられたみたいですね。 前に先生おっしゃってたでしょ?めまいで手術続行不能にならなければ院長先生のお父さん青木征十郎さんは決して偶然の悲劇などではない…という可能性が出てきます。 言えるわけないでしょ?お父さんが亡くなったんですよ!だからこそ…!院長先生が殺したんですか?それだけのことで事故ではなく殺人だと断言できるんですか?…いえ。
みんな僕の気持ちわかってくれてるんだろうかね?新聞記者や刑事だのがズカズカ土足で…たまんないよ。 私は院長先生のお気持ちわかってるつもりです。 おいお前医療過誤を突っついてるんだってなあ?特命は特命らしくヒマにしてろよ。 医療過誤は突っついても無駄だぞ。 怪しいコーヒーを飲んだのはおそらく院長先生だと思いますよ。 駆けつけて応急処置してくれたよね?君の腕を持ってしても助けられなかったんだ?全力を尽くしましたが力及ばず残念な結果になってしまって…あなたにお渡しした名刺…それが小林先生に渡った。
しかしそれは院長先生のほうにだけ。 つまりめまいは手術を途中で放棄して院長先生に代わっていただくためのお芝居。 先生とお父様の会話を偶然聞いた小林先生は千載一遇のチャンスが到来したとお思いになったのでしょう。 お兄さん…!でもどうして?あなた方が調べていたのは院長先生のはずじゃ…。 先生ほどの外科医ならば二度とそんなことが起らないよう何よりもまずめまいの原因を調べるのではありませんか?しかし先生はそうしようとはなさらなかった。