被害者は藤木徳太郎。 この日は骨董屋さんが被害者の家に商品を届け被害者はその夜知人に自慢しています。 つまり被害者はこの日までは生存していました。 美貴ちゃんは被害者の服から微細物の採取。 被害者の爪から採取された微細物です。 この破片から被害者のものと鳴澤栄一という古美術商の指紋が検出されました。 えー…被害者の爪から採取された微細物からこんなものが出た。 被害者の服ですが変わったにおいがしたんで所長に調べてもらったんです。
凶器の鑑定は?あぁ…被害者の傷の形状から見て凶器はこれに間違いありません。 凶器から指紋は?まあこの割れた破片全部調べてみましたけども出た指紋は被害者のものだけでした。 江戸時代中期の陶芸家岩井泡松の作品のようです。 考え過ぎじゃない?割れた陶器を見たから純粋にあの茶碗は割れなくてよかった…そういう意味でしょ?現場には他にも高そうな陶器が山ほどあったろう?あれだけを無事だと喜んだのには意味があるはずだ。 「阿南各山」…。 これも各山なんですか?去年徳島の阿南で各山の陶器が大量に発見されたんだ。
鳴澤が被害者に阿南各山を売ったのはその前日。 その間東京を抜け出して被害者の家に行ったかどうかそれを調べるのが先決だ。 はい?鳴澤さんは15日の夜から18日の午後まで東京に出張に行っていたとか。 辞めるんですか?何かあったんですか?昨日先生に100万円渡されたんです。 私の目利きが悪いせいで鳴澤先生に大損させました。 あの見習い女が共犯なら先生のアリバイをでっちあげたとしても不思議じゃない。 彼女まで疑うの?出張したのは銀座の歴史美術館だったな?とことん付き合いましょう。
なら死亡時刻をずらした可能性は?だとすると…考えられるのは現場の温度。 鳴澤は第一発見者だから警察に知らせる前にエアコンの温度を戻しておくこともできるだろう。 被害者の家の電気の使用量を調べて。 18日の夜まで被害者は生きていた?死亡したのは16日から17日の夕方じゃなかったってこと?7月18日夜7時頃から21日の昼12時過ぎまでエアコンを25度で使い続けるとこうなります。 つまり18日の夜に殺されたってこと?その時刻なら鳴澤は京都にいて犯行は可能だ。