えっ？「死亡予定時刻は本日午後６時」なるほど…。 姿を見せられない決まりなんですが本日は特別な事情で部屋にいる人間全てに自己紹介させて頂こうと。 宿泊客に心臓病の子供がいて容体が悪いんで母親が医者を探してるんだと。 「霊界行政機関」？「霊魂取扱官庁」？「死神」？何が死神だよ。 実は本日午後６時にこの部屋で誰かが事故死する運命となりましたのでお迎えに上がった次第です。 えっヒーローなんですか？正義のために戦って光線を出したり悪者をやっつけたりして子供たちにも人気のあれですよね？いやぁお目にかかれて光栄です。
死神なのにそんな権利もないの？死の運命を背負った人間に心残りのないようやり残した事をするようお勧めするのが私の仕事でして。 「火元は１３階機械室と見られ廊下の電源盤が故障してスプリンクラーも作動しなかった模様です」「現在火は１３階廊下に広がっており消防隊員が入るのも難しい状態だという事です」最悪の状況だ。 おい…！おいスプリンクラーの手動スイッチがあるぞ。 これでスプリンクラーを作動させられたら火を弱められるかもしれない。 でも廊下は火の海なんでしょ？スプリンクラーのスイッチを押すなんて危険な役目誰が…。
悪魔？こんな時に何ふざけてんだよ！本当なんだよ！悪魔と契約したから…。 あんたは黙ってて！子供を助けるためなら悪魔にでもすがるわよ。 あなたが悪魔なの？一般的にはそう呼ばれています。 何！？悪魔が来たぁ？まずい事態ですねえ。 悪魔の魔力は強烈ですよ。 でしたらあなたが亡くなったあとに息子さんが不自由なく暮らしていけるようお金をご用意致しましょうか？本当に？１つ目の願いとして間違いなくあなたが死んだあとに振り込ませて頂きます。
手を尽くせば無傷で生還出来るかもしれないが何もしなければ一生苦しむ大やけどを負うかもしれない。 どんなふうに残りの人生を生きるかは自分たちで切り開かないと駄目なんです！じゃあ亘を無傷で助けるには…。 運命に任せるだけでは駄目なんですよ！俺がやるよ！自分の力で少女を守る事には成功したんです！皆が大やけどを負う可能性が高まったんですよ。 死んでも自業自得だ！死神がいるって事は…俺が死んだのか？いえここはあなたのお父さんの病院です。