再捜査?半年前に目黒で起きた女性研究員殺害事件は捜査本部が解散され継続捜査班に引き継がれたと聞いております。 メタンハイドレートは海底から取り出すのが難しいらしいんですがこの関田教授が画期的な採掘方法を見つけ出したそうなんですよ。 メタンハイドレートが実用化されれば日本は一気に資源大国です。 目黒東署に出向いてくれんか?半年前の帝和大の事件にちょっときな臭いものを感じたんでな今管理官の佐久呼び出して再捜査を命じたとこなんだよ。
死体が発見される7時間前深夜営業の喫茶店でこの男と被害者の布川麻奈美さんが目撃されたようで…。 布川先輩の彼氏?その後その男は被害者をストーカーしていた男と同一人物じゃないかって結論に至ったようでして。 ストーカー?被害者と同じ寮の学生らに似顔絵を見せたところ被害者の部屋を見上げていた怪しい男とよく似ていると。 ストーカーが喫茶店で被害者を車に乗せて移動したあと殺害したという事ですか?うんそういう見立てでしょうな。 被害者の自転車が喫茶店の駐輪場で見つかってますし…。
「経済産業省の陶久と申します」ノンキャリアでありながら警視庁史上最年少で管理官におなりになった方だそうですね。 仮に関田教授を含む周辺の人物が犯人だった場合メタンハイドレートの研究が止まってしまう。 確かにロシアも中国もメタンハイドレートには並々ならない関心を寄せています。 半年前捜査本部へ圧力をかけ未解決のまま解散させたのは経産省…あなた方ですね。 えー…今朝になりましたが実験を終えた大学院生高橋健一からようやく話が聞けました。
実験?関田教授に頼まれてやった実験だったんですけど研究室で爆発が起きて。 被害者が実験に失敗した事件当日ですが関田教授は打ち合わせを兼ねた会食をしていた模様です。 関田教授本人や周辺の研究員たち全員の銀行口座からは不審な入金は見当たりませんでした。 推測ですが独立行政法人NADESは関田教授の研究に資金提供しているため表立っては近づけず秘密裏に取引をしていた可能性があります。 去年の12月というと関田教授がメタンハイドレートの新たな採掘方法を開発したと公表したその翌月ですね。
クソッ!確かに世界的な研究者である関田教授とは面識はありますがお尋ねの振り込みに関してはわかりかねます。 大体布川麻奈美という名前すら知らない。 僕は布川麻奈美さんを…。 これは布川麻奈美さんが殺害された当日彼女が行っていた実験の再現です。 関田教授あなたは布川麻奈美さんとなんらかの関係にあった。 布川麻奈美さんの手の甲に書かれていた数字はネット上の日記を開くためのログインパスワードでした。