大体なんでわざわざこの間病院行ったのにはい特命係神戸です。 「10代で器の会の主宰浅沼幸人に師事」「23歳で第一歌集を発表し一躍歌壇の脚光を浴びる」「その後話題作を続々と発表して受賞歴を重ねる一方2003年器の会の主宰を引き継ぎ活躍を続けている」杉下さんすごい人知ってるんですね。 桐野は私が二十歳の学生の頃に桐野の下宿で一緒に暮らし始めたの。 コーヒーカップの指紋は?カップにもインスタントコーヒーの瓶にもスプーンにも毒を飲んで自殺しようとした人が桐野さんが発見された時部屋の鍵は閉まっていましたか?いいえ。
ところで例えばなんですが当時桐野さんの周りに彼を恨んでいたような人はいませんでしたか?えっ?いやぁいまだに彼女はあれだけの美人だ。 あの頃下心抜きで彼女に接していたのは浅沼先生くらいでしたね。 実は当時見つからなかった毒の容器がつい最近桐野さんの文箱の二重底から見つかりまして。 早速ですが当時浅沼先生は桐野さんが自殺したと聞いてどう思われました?正直言って驚きました。 時に浅沼先生先生からご覧になって高塔織絵さんはどんな方でしょう?この間も電話で次の歌会のテーマに「背」はどうかと言ってきましてね。
当時桐野さんの周りにはトラブルはなく高塔さんと桐野さんは深く愛し合っていた。 あっ桐野さんが亡くなった時高塔さんはショックで倒れて通夜にも葬儀にも出られなかったそうです。 私はショックでお腹にいた桐野の子を流産して入院していたの。 それより青い小瓶の謎少しは解けました?今のところ桐野さんに殺されるような理由は見当たりません。 無論周りの誰も知らないような理由…つまり桐野さんと犯人しか知りえない理由で殺された可能性も否定できません。
発見時高塔織絵さんは右手に何か握っていませんでしたか?お気づきになられましたか。 指紋の位置付着頻度からみて第三者が小瓶を握らせた可能性はないですね。 無害?一体どういう事でしょう?おそらく高塔織絵さんはこの青い小瓶の毒をあらかじめ無害な液体に入れ替えておいた。 もちろん高塔織絵さんにはそうするだけの理由があったという事です。 それが高塔織絵さんの死の謎を解く鍵なんです。 私は彼女の才能をあなたはひょっとして42年前から高塔織絵さんを愛していたのではありませんか?そうだ。