遺体発見現場から１キロほど離れた空き地で燃やされたボストンバッグが発見されました。 被害者の着衣や下着の素材とは一致しませんでした。 被害者の手に付着していたにおいの正体は天然のオイゲノールだった。 スラックスに付着していたシミはクロシンという水溶性カロテノイド系の黄色の色素で栗きんとんとかたくわんとか…サフランライス！サフラン！？ああ…どうも！いらっしゃい。 は～い！ラ・サフランシュークリーム！そして鑑定書。 被害者の胃の中にサフランで着色されたクスクスが残ってた。
彼女こちらでクスクス食べましたよね。 被害者が食事したお店のクスクス料理です。 ご家族には連絡ついたの？寺尾さんは彼女の携帯番号しか知らないそうです。 ボストンバッグには携帯電話はなかったわよね。 そんな事ができるのかどうか僕も半信半疑でしたが彼女は真剣で…。 午前１０時に京都駅に着いた彼女を迎えに行ってクローブを扱うアロマの店や料理店などを回りました。 昼食のあとも僕は一日付き合うつもりでいたんですけど彼女は急に何か思いついたようで平野通りで車を降りてしまいました。
携帯電話の会社に登録してある魚住笙子の住所をボストンバッグの中にあったスケッチブック。 被害者のスラックスに付着していた黄色いシミは榊くんたちが持って帰ってきたクスクス料理のサフランとは別のものだった。 え…？でシミの方にはサフランのほかに酸化アルミニウム酸化カルシウム石英が含まれていたんだが料理からはそれらの成分は検出されていない。 でこれらの成分とサフランの色素が同時に検出されるケースを調べたところ草木染めの可能性が出てきた。
司法解剖の結果望月の死亡推定時刻は去年の８月５日の午後５時から午後８時にかけてだ。 一昨日はサフラン染めの媒染剤に木灰を使ったんじゃないのか？望月が殺害される現場を目撃したんですよ。 でも犯行現場を見たのならなぜ彼女は警察にそれを言わなかったのかしら？おそらく金目的ですよ。 魚住笙子さんという方ですがこちらの病院で受診されていましたか？それが立証されないと彼女が犯行現場を見たという説は成り立たないわ。 え？どこの病院？京都洛愛総合病院。
なぜなら…その日その場所であなたの息子永田佳和が望月譲を殺害したからだ。 笙子さんは息子さんの犯行現場を見たわけではありません。 え…？彼女は１８歳の時にご両親と旅行に行った先で失明…？治す方法は角膜移植だけ。 ドナー不足で移植を受けるには長い期間を待たされ去年の７月にようやく京都の病院で移植を受ける事になったのですが手術前の検査で炎症が見つかり移植は断念して退院された。 去年の暮れ笙子さんはアメリカで角膜移植を受ける事ができました。