「でも随分軍隊にいらした時にはね色々な…随分肉体的にもつらい目にお遭いになったと思いますけど」「僕なんかがね召集受けるぐらいですからもう余程日本もね緊迫してた時代ですよね」「『二等兵物語』っていう映画がございましたけど本当に二等兵…?」「そのままでしたね僕の場合は」「師団司令部であれがいるんだから何か演劇させればいいじゃろうっていう話が出たんでしょうね」「まあ僕を中心に結局…ショーでいう座長ですか?」「人いるから誰か編成して連れていけってなもんでしょ」「立ってるのが…マドロスでパイプくわえてるのが私です」
「一番その位が高いなと思うのが家老の娘で」「そのぐらいだったんですね」「あらー…」「やめる最後ですか…」「雷蔵さんの…亡くなる前ですけども最後の『眠狂四郎』だと思うんですけどね」「結局奇麗なこんなお姫様にならないで…」「最後は普通の女の格好をしてお城へ帰っていくっていうんですけどね」そうですって。 でもお父様松竹とか東映とか出ていらしたんであなたが大映お入りになったんでなんかお父様心配して見にいらっしゃってるところの写真があったんで…とても面白い写真なの。
うーん…今の衣装教室とか着る人はみんなこう男の人が着物着るのをきちっとこうやってもう本当にネクタイ結んでるようにここがこうなるんですよね」「僕らの子供の時分から…倣うて何となしにざっくり着てる」こういうところから手がすぐ出ちゃうんですよね」「スッと頭なんか…」「こんなことしたりキュッと髪の毛をこうやったり“ヘヘン”ってなことやるでしょ」「“お前が…馬鹿言うねえ”ってな…」ここから手が出てうーん…ってないいお顔してこんなところでこう泣いて…」「“泣かせんじゃねえや”ってなこと言うとらしいでしょ?」「なるほど
それで今から10年ぐらい前お父様の七回忌の時ですか?お母様が突然発展的…何ていうんでしょう…。 「発展的解消をしましょう」って言われて。 で発展的解消をして…?ええ。 お母様は沼津がいいとお思いになったの?はい。 お母様も「あなたと一緒でいい」って仰ったの?はい。 もう引っ越しの準備してる最中に突然亡くなったんです。 それはとても…とても本当に気が付かないうちぐらいに…?普通はよくあっそういえば…ってありますよね。
それこそそういえばっていうと夜中にトイレに行く時間決まってるんですけど顔を見たら母がにっこり笑って亡くなってるんですよ。 本当に仲のいい夫婦でしたから。 だからもういいだろもういいだろってそれで母を迎えに来たのかな?って突然話は変わるんですけどもお父様とお母様の話はめでたしめでたしということで。 それがすごい奇麗なのね。 奇麗奇麗。 あら奇麗。 本当に奇麗ですね。 きっかけはね妹が今度秋にフランスのパリとナンシーっていうところに行くんですけどもその時に日本の伝統的なものを展示したいって言ったんですよ。