総裁選に勝利し我々が新世界を創ります!このあとは音越議員片山議員以下各議員に個別の質疑応答に移らせて頂きます。
ご存じのとおり本多篤人は極左テログループ「赤いカナリア」の活動家であり特に爆弾テロの第一人者でした。 「憲法第39条刑罰法規の不遡及二重刑罰の禁止」。 つまり法解釈上は一度死刑になった人間がもう一度死刑になる事はない。 本多は条件をのみ別人木本遼一として娘とともに釈放された。 片山議員との因縁も含め本多が関与している可能性は十分考えられます。 だとすれば片山議員が本多を解放したのが事の起こりじゃないですか。
なぜ杉下さんが本多の家にいらっしゃったのかしら?旅行中にたまたま寄っただけです。 本当かしら?皆さんお揃いという事は本多篤人の失踪は決定的ですね。 はい!本多篤人の見張りが2人だけとはあなたにしては油断しましたね。 本多が住んでいた場所があなたの盟友音越官房長官のお膝元というのも奇妙な縁ですねぇ。 はい?そういえば5年前本多の件を通じて僕と右京さんニアミスしてたんですね。 ほう…トルコ石ですな?もう片方は本多自身が持っていると考えるのが妥当でしょうね。
右京さんはそうお考えですよね?本多篤人が片山雛子を殺したいほど憎んでいるとは思えません。 他に理由があると?もし本多篤人が再びテロに走るとしたらきっと何か別の理由があるはずです。 地方党員の意識調査では若干総理陣営の支持が上回っているそうです。 もう一度本多さんの家まで案内して頂いてもいいですか?ええいいですけど…。 ペマラカの語源はサンスクリット語で蓮を意味するパドマそして赤を意味するラカに由来するといわれています。
確か大黒議員は火事で亡くなったはず…。 そんな事もあって大黒先生は大黒天を信仰していました。 尸林に何の意味があるんです?いえ大黒天は財福の神として知られていますがさかのぼれば破壊神シヴァの化身マハーカーラだともいわれています。 だから大黒議員はこの場所に小屋を造ったのでしょう。 大黒先生も同じ事を仰ってました。 ところで音越議員の秘書である森戸さんがどうしてこの場所へ?私は元々大黒先生の秘書でした。 森戸さんご存じありませんか?大黒先生が亡くなったのは13年前。
右京さん大黒議員の資料ご覧になりましたか?ええ助かりました。 交友関係の中に大黒議員の地元の出身の暴力団組長鞘師という男がいたでしょう。 それが本多の件とどう関係があると?鞘師はサルウィン軍中枢と繋がっています。 爆弾の原料が一致しただけで本多と鞘師に繋がりがあると?2人には共通点があります。 鞘師は音越議員の選挙区である地方の出身。 そして音越議員に選挙で敗れたあと火事で亡くなった大黒議員と鞘師には繋がりがあったといわれてます。 この村は元々亡くなった大黒議員の地盤だったそうですねぇ。
確かに大黒議員は古いタイプの政治家だったのでしょうねぇ。 そんな大黒さんに心を救われた少年少女が少なからずいたと聞きました。 だからこそ僕は政治家を志し初め大黒先生の秘書になったんです。 大黒先生が子供にイタズラしていたというものですね。 噂の真贋はさておき大黒議員は落選後あの森の小屋で焼身自殺をした。 ただ先生は大黒天の絵をお持ちでした。 最後に先生に接触した可能性が高いのは小屋に遊びに来ていた少年2人です。 ではその少年2人が大黒天の掛け軸を持ち去ったと?そこまではわかりませんが…。
なんですか?音越官房長官を恨んでいるかもしれないという事。 人生最高の作品が完成した。 チームの指揮を執る人間を警察から出す必要があるという話になってね。 音越官房長官と組んでる片山雛子より上となると総裁選で対立する総理大臣ですか?まあ誰の意向であれあの片山雛子と表立ってやり合いたいと思う人物は簡単には見つからん。 右京さん天才的な推理で場所がわかったりしません?残念ながら見当もつきません。
本多が鞘師九一郎と繋がっているとなると同じ威力の爆弾をもう一つ作れるだけの原料が残っている可能性があります。 本多はあえて片山議員に爆弾の場所のヒントを与えたように見える。 一体どういうつもりなのか?本多の動機についてまだわかりませんが杉下警部は爆弾はもう一つある可能性があると。 内閣官房長官音越栄徳議員です。 人質を解放してほしければ音越官房長官との交換が条件だ!もし音越が出てこなければどうなるか…。
僕はその人と交渉人に選ばれただけです。 交渉人とはどういう事ですか?お久しぶりです本多さん。 お言葉を返すようですが音越官房長官は選挙で地元の方に選ばれ歓迎されています。 合法であればなんでも正しい事になるのか?独裁国家では合法的に虐殺が行われてる。 なぜ音越官房長官を狙うのですか?しかも思想的には真逆の鞘師九一郎氏と手を組んで。 そしてやる時は命懸けだ!理屈じゃねえ!だから音越さんが交渉に応じなければ爆弾で無辜の民を殺すという事ですか?そうだ。
爆弾は本当に都内に仕掛けられているのでしょうか?どういう事かね?本多篤人も鞘師九一郎も筋金の入った人間です。 本多と鞘師も無辜の民を犠牲にするわけはないというのが杉下警部の主張です。 じゃあ爆弾はどこに仕掛けてあるんですか?鞘師と大黒議員との関係から一種の意趣返しと仮定する。 まあそれは大黒議員の死後具体的には?杉下くんは開発地そして建造物を中心に探れと。 何を言ってるんです?私が音越官房長官にだけ伝えます。 音越官房長官が現場指揮の全権を持ちます。
待ってください!鞘師はサルウィン共和国の外交官特権を持ってます。 中間点で人質交換する。 そのうちの一人が腕に大きな火傷を持つ柄谷時生だと知っていました。 あなたはあの森の小屋で柄谷時生と出会ったのですね?そうだ。 大黒さんの死後俺はサルウィンの戦場に生き場を求めた。 自分たちの恩人である大黒さんを死に追いやった本多篤人の協力を取りつけたと言った。
あとは俺が時生ごと大使館に逃げ込めば警察も手が出せねえ。 官房長官はテロリストから国民を守って亡くなったヒーローというシナリオで発表してください。 鞘師については今サルウィン大使館が身柄を引き取っていきました。 柄谷もサルウィンの国籍を取得しておりともに搬送されました。 本多についてなんだけどテロの首謀者が本多篤人というのは困ります。 遺体は身元不明のテロリストとして処理します。 この土地で採れた梨はうまいだろ?うん!名前はなんて言うんだ?時生!君は?名前ない。