♪~ううっ…ああ…!松浦くん!?えっ…何!?どうした?大丈夫か?写真家に興味ないでしょだって。 あの…まだ新人ですけど彼の写真が有名ミュージシャンのCDジャケットに使われた事もあって注目度は高まってました。 えっ…?青酸性毒物による中毒死の可能性が高い。 えっ…青酸性毒物って事は…。 カメラメーカーが主催するコンテストで。 ん?撮影?カメラマンさんですか?駿介は今はまだアマチュアです。 この時期は毎年コンテストの締め切りが近いとかで写真撮りに出歩いてますよ。
フィルムカメラはさ現像してみないとどういうふうに写ってるかはわからない。 それがまたフィルムカメラの醍醐味だって。 うちの福太郎はフィルムカメラ知らないだろうな。 玉木百々さん甲田公子さん藤尾治郎さんそれに出版社の森武彦さんのもね。 被害者の松浦麻人が口にした毒物を彼の個展を見に行こうと言い出した藤尾さんの呼びかけで昨日は全員が集まった。 松浦くん!?何!?えーっ!ど…どうした?大丈夫か?松浦くん!救急車呼んで!はっ…はい!救急車お願いします!はい!警察に通報!はい!寺崎さんが犯人なら…私のせいです。
寺崎駿介さんは控室の中に入りましたか?いやあの部屋には誰も入っていないと思います。 松浦くん以外は…。 仲間たちとカメラや写真の話をしながら過ごす時間がこれまた楽しい。 いいでしょ?松浦くんもそのカメラで撮った海の写真応募してみたら?あの海はいまいちだった。 松浦くんの感性は独特なんだよね。 人間性と写真の腕前は別物です。 以前松浦さんも同じ会社で働いていたそうですね。 玉木百々が5年も貢いできたのに松浦からは礼のひと言もなかった。 でも百々さんの荷物には被害者が口にした毒物はなかったわよ。
これ何枚撮りなんですか?120フィルムは12枚しか撮影出来ないんですよ。 ただ松浦さんのカメラはフィルムが入ってなかった。 このカメラはこの120っていうフィルムが使われる。 で開けてみたら入ってなかったという事は撮影が終わってフィルムを取り出して現像するまでの間封をする。 松浦さん控室でカメラからフィルムを外し…。 カメラの予備フィルムです。 しかしこういった形じゃなくて普通の35ミリフィルムでしたね。 カメラの中に隠したとでもいうんですか?ここに120のフィルムを入れる…。
芸術家写真家の気持ちを理解するのは私には難しくて…。 この炎の写真火災の現場で撮られたものだってご存じでした?ああ…そう言ってきたお客さんいましたよ。 松浦火事の写真撮るために放火したの?違いますよ。 松浦さんは本当に偶然近くに住んでて火事の写真を撮っただけ。 うちによく来ていた松浦くん覚えてる?今度写真集が発売される事になったんだよ。 彼の撮った写真…!写真集の表紙を別の写真に変えて頂きたいんです。 あなたの写真集がお店に並んであの子がこの炎を見たら妹が死んだ火事をまた思い出してしまうかもしれません。