そんな短い時間でアトリエに戻りあの重い額縁の絵を持ち出し父を殺して戻るなんて不可能ですよ。 そのあとアトリエに偽物を飾りそれを友人に見せいかにも本物が飾られているように細工した。
屋敷の中に電話はございます。 人類史上初めての殺人事件をご存じですか?人の歴史にはいつも殺人が寄り添ってきた。 当時相良は新進気鋭の芸術家だった。 お屋敷には須崎さんがレジャー施設開発に向けて協力を依頼した友人6人が招待されていました料理研究家の栗田さん岩中さんは経営コンサルタントもう1回もう1回。 今港に電話してみたんですが今晩は嵐で船が欠航になったそうです。 今なんて言った?おじさん耳悪いんですか?三流のイカサマはやめたらって言ったんです。 ポーカーの初歩的なイカサマの手口。
どうして?神木さんあなた何か隠してません?どういう事?本当に瑞上市の市議会議員?疑ってるの?心外だな。 そんな緊急時に市議会議員がのんきにバカンス?市長とは反対勢力に属していてね。 叔母さんはわざわざ着替えてから部屋を出てる。 一度パジャマに着替えたのは多分私にも気づかれずに部屋を出ようとしたから。 つまり…叔母さんは最初からこの時間に誰かと約束してて部屋を出てったの。 有紗様は叔母様を亡くされたんです。 これ以上有紗様を傷つけないでください。
安東様だけはまだお休みになってるようです。 安東さんが?はい。 何か?安東さん!安東さん!安東さん?鍵は?ご主人様の部屋に合鍵が。 安東さん!どうかしましたか?安東様がお部屋から出てらっしゃらないものですから…。 えっ?安東さん!ちょっと下がって。 安東さん。 安東さんを海水で溺死させるためにくんできたのかもしれない。 海水だって安東さんがくんできたものが元々あそこにあったのかもしれない。 岩中様!どうなさるおつもりですか?屋敷を出るんだよ。 どういう意味ですか?岩中様!岩中様…!放っておくしかないよ。
「卑しい獄中から筆をとる御無礼をどうかお許しください」「思い起こせば病弱な私は人一倍生命力の弱い子供でした」「しかし皮肉にも芸術の世界を知れば知るほど己の才能の儚さと無力さを知り絶望していきました」「そんな私が生まれて初めて納得いく作品を生み出したのは人を殺めた直後でした」「あの時の恍惚と高揚は今でも忘れられません」「以来人の命を葬る度に蛍火のような創作イメージがともり芸術の深淵に近づける気がしました」「今も人を殺したい」「これまでとは全く違う殺し方を実験したい」「須崎さんの屋敷があるあの美しい島で」まさ
どうして?須崎さんは島を出たんじゃなかったのか?日付は2日前で止まってる。 つまり2日前須崎さんは誰かに襲われ殺された…。 一体誰が!?アリスは物語の最後にトランプの兵隊に襲われそうになる。 須崎さんも同一犯に殺された…?じゃあ相良に?どうしてこいつが?何してる?ねえ!皆さん!船です!船が来ました!助かったのか…。 長嶺さんこちらは?橘良太なじみの便利屋だ。 「お願いしますよ」「あなたしか頼れる人がいないんです」あなたは私神木章介としてあの島に行ってくれればいい。
どうして今さら20年前の事を…?聞いてるのか?聞いてるのか?相良さん!20年前何があったんです?そこまでは知りません…。 確か岩中義彦先生の。 岩中義彦って元幹事長の?はい。 あなたのお父さん岩中義彦さんと弟さんの20年前の事です。 俺は相良恭司と今回の弟さんたち被害者が20年前の何かと関わりがあると考えています。 相良美登里ちゃん。 ママ?どういう事ですか?美登里ちゃんは父子家庭で育ったはず。 このままじゃ2人共殺される!そう思って私は生まれたばかりの美登里を連れて彼のもとを逃げようとしました。
どこに隠れても相良は私たち2人の居場所を突き止めて美登里を連れ去った。 これで美登里もいつかは幸せになれる…。 金と引き換えに美登里ちゃんの腎臓を売った。 それから私は美登里の死の真相を調べ始めました。 そして美登里の死に関係した人たちが見えてきたんです。 それであなたは関係者の一人須崎さんの家で働き始めたんですね?まさか相良が連続殺人を起こすとは…。 嘘です!私は栗田さんに愛されるような女じゃない!美登里!美登里…。 もう私やだ!お願い…!美登里ちゃんは言うよ「ママが大好き!」って。