「皆様お待たせ致しました」少しほほ笑んだらどうだ?「我が林田ホールディングスは創業30年」「そしてここにRestaurantバルト200号店を開店する事が出来ました」「今後ともどうぞよろしくお願い致します」「続きましてテープカットを行います」あっああ…。 ガイシャは林田ホールディングスの社長林田祐一。 亡くなったのは都内に本社のある林田ホールディングスの社長林田祐一60歳。
ガイシャの血液からアコニチンが検出されました。 アコニチンは猛毒です。 紙コップもピッチャーからもアコニチンは出てません。 ガイシャが倒れた直後この男は逃げるように現場を離れています。 被害者の死因はわかったのか?アコニチンです。 アコニチンって即効性のある毒よね?うん。 林田さんは強いショックのせいで記憶の一部が抜け落ちている状態だと思います。 しかし捜査を進める上で林田陽子さんの話を聞かなくてはならないんです。 今林田さんには焦らずに時間をかけて治療をしていく事が必要です。
このサングラスの男をご存じですか?社長が亡くなったあとすぐにイベント会場から立ち去ったんですが。 林田社長夫婦の仲はどうでしたか?社長と奥様は仲がよかったですよ。 サングラスの男がホシだとしてもいつ毒を飲ませたんだ?社長と接触してないのにな。 身近にいたのは専務の黒川と副社長の林田陽子の2人だけですからね。
薬を単独で使った時よりも効果が大きくなるものを協力作用小さくなるものを拮抗作用と言うだろう?うん。 拮抗作用は毒同士が作用し合う事で猛毒の効果を打ち消し効果がすぐには現れない。 つまり…アコニチン以外の毒物を一緒に飲まされていたとしたら林田さんはイベント会場で毒を飲まされたとは限らないって事?その可能性はある。 ガイシャの血液からアコニチン以外に微量ですがテトロドトキシンが検出されました。 2つを同時に服用するとアコニチンの中毒作用が抑えられてしまいます。
東山さんというのは?函館工場に食材を卸してた東南食材の社長です。 それより林田社長が函館で何も口にしていないのが引っかかります。 星野の調合がうまいのか社長にはそれが効くらしく飛行機を利用する時は必ず星野に作らせて飲んでいました。 星野はなぜ社長が飛行機に乗る前に飲んだ酔い止めの事は黙っていたのでしょうか。 10年前に自殺したRestaurantバルトの店員星野真理子は星野の娘でした。 その後林田の会社に入社し食品加工などには薬品を使う事もあり星野はその担当でした。
林田陽子さんはまだいらっしゃらないのか?「確認します」林田陽子さんはいらっしゃいますか?「奥様は今函館に行かれています」えっ?函館ですか?どうして陽子さんは函館に行ったんでしょう?彼女は今自分の過去と向き合おうとしてる。 「今朝早くこの橋の河川敷で男性の遺体が発見されました」「亡くなられたのは林田ホールディングス函館工場に勤務する主任の星野雪夫さんという事です」「河川敷に向かうこの橋はこのように規制線が張られていましてこれ以上進む事は出来ません」「早朝にこの橋をジョギングで通った近隣の住民が…」星野が…。
アコニチンとテトロドトキシンが出ました。 この水筒からアコニチンとテトロドトキシンという毒物が何よあのドヤ顔誘導尋問じゃない。 陽子さんは事件の被害者で私の患者だ。 私が警察に入った時先生は警察病院の内科の医師だった。 だって犯罪被害者対策室としては陽子さん放っておけないしね。 15歳の陽子さんに何かがあった事は間違いないんでしょうけどそれがこの函館での出来事かどうかは判断できませんよね。 陽子さんの子供時代のアルバムには函館の写真しかなかった。
将来はプロ野球の選手になるんじゃないかって陽子ちゃんは彼の事好きだったんだと思いますよ。 沖田くんは野球の名門校への推薦入学が決まっていました。 サングラスの男である東山幸治はアコニチンによる毒殺だと考えられます。 最初に林田さんはアコニチンとテトロドトキシンの混合毒で殺害された。 ホシは函館工場に勤務していた星野さんが作った酔い止めに東山殺しは別のホシがいるんじゃないの?息子さんにお話を伺いたいのですがどこにいらっしゃるかご存じですか?さあ…私も30年以上前に妻と別れてから息子とは疎遠になりましたから。
任意で引っ張ってみる?では黒川専務を次期社長とする事に賛成の方は挙手をお願い致します。 旧姓沖田博史林田祐一東山幸治さん殺害の重要参考人として任意同行をお願いします。 陽子さんの本心引き出すには大嶋先生の力が必要なの。 重要参考人で呼ばれていた矢崎が帰されたわ。 沖田博史くんは私の初恋の人でした。 あっ!博史くんは大事な右手首を複雑骨折してしまいました。 日常生活に支障はないとはいえ野球選手としての将来は絶たれてしまったんです。 陽子!彼が矢崎という姓に変わった事をその時知りました。