乗り換えのターミナル駅は帰宅を始めた人々で混み合っていて誰の靴も雪の水を吸ってぐっしょりと濡れていて空気は雪の日の都市独特の匂いに満ちて冷たかった「お客様にお知らせ致します」「宇都宮線小山・宇都宮方面行き列車はただいま雪のため到着が8分ほど遅れております」「お急ぎのところお客様には大変ご迷惑を…」その瞬間まで僕は電車が遅れるなんていう可能性を考えもしなかった不安が急に大きくなった「次は久喜久喜」この列車は当駅にて10分ほど停車します」「お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけ致しますが…」「後続列車遅延のためこの
僕は明里に渡すための手紙を書いた明里に伝えなければいけない事聞いてほしい事が本当に僕にはたくさんあった「大変お待たせ致しました」「まもなく宇都宮行き発車致します」「東北新幹線ご利用の方はお乗り換えです」「東北新幹線下り盛岡方面お乗り換えの方は1番線上り東京方面お乗り換えの方は5番線へお回りください」「ただいま両毛線は雪のため大幅な遅れをもって運転しております」「お客様には大変ご迷惑をおかけ致しております」「列車到着まで今しばらくお待ちください」「次の上り…」とにかく明里の待つ駅に向かうしかなかったあっ。
本当の暗闇の中をただひたむきに1つの水素原子にさえめったに出会う事なくただただ深淵にあるはずと信じる世界の秘密に近づきたい一心で…あの日からいくつかの台風が通り過ぎその度に島は少しずつ涼しくなっていったサトウキビを揺らす風がかすかに冷気をはらみ空がほんの少し高くなり雲の輪郭が優しくなってカブに乗る同級生たちが薄いジャンパーを羽織るようになったあ~っ!私が半年ぶりに波の上に立てたのはまだ夏がかろうじて残るそんな10月の半ばだった「本日夕方からの天候は晴れ」「最大風速は8メートルの予報となっています」佐々木さ