母さん僕のあの帽子どうしたでしょうね？ええ夏碓氷から霧積へゆくみちで谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ母さんあれは好きな帽子でしたよ母さんあのとき向こうから若い薬売りが来ましたっけね紺の脚絆に手甲をしたそして拾おうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけねけれどとうとう駄目だったなにしろ深い谷でそれに草が背たけぐらい伸びていたんですもの♪～私はこれまでいち美容家として日本における美の意識改革に取り組んで参りました。
ホテル外部での犯行の可能性も探るべきです。 ホテル内ではいまだに有力な目撃証言が出てこない。 まずは当日の外国人宿泊客全員の洗い出しとホテル内の徹底的な聞き込みを中心に…。 ホテル外部の犯行なら物証が残ってる間に捜索しないと…。 よーしホテルの内部だけでなく外部にも聞き込みの範囲を広げる。 どういう意味だ？はっきり言ったほうがいいですか？そうそう今度政策懇親会のパーティーがある。 片言でしたけど日本語を話せる方でしたので…。 それは間違いないですか？ええ日本語を理解されていました。
ストローハットの事じゃないですか？鑑定の結果清水台公園にあった血痕は被害者ジョニー・ヘイワードのものと判明した。 ジョニーはストウハという言葉を残しています。 経済的に貧しかったジョニーがなぜ日本に来る事が出来たのかわかった。 ３０万あればジョニーは日本に来る事が出来ます。 しかし東京及びその周辺大阪神戸京都その他日本の大都市には存在しません。
西條八十…。 どうしてこんな古い日本の詩集を持ってたんだ？この古さ加減…何か感じませんか？麦わら帽子か？麦わら帽子同様ジョニーが大切にしていたものかもしれません。 「ええ夏碓氷から霧積へゆくみちで谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ」キスミー…。 この詩は西條八十が戦前霧積を母親と訪ねた時の事を懐かしんで作ったものです。 確かにジョニーが西條八十の詩集を持っていた事からなんらかの関連があるかもしれない。 「Ｒ」の発音を省けばストローハットはストウハ霧積はキスミーと聞こえてもおかしくない。
西條八十の詩を記した包装紙は昭和３０年頃まで使ってたんですよね？あの…これです。 おばあちゃん家に黒い兵隊さんの親子連れが来た事があるって。 「黒い兵隊の親子連れ」どう思いますか？とにかく今はお種さんの話を聞いてから…。 種さんの意識戻りますか？頭部強打による昏睡状態でね…現状厳しいですな。 おい…お前何笑ってんだよ？「黒い兵隊の親子連れ」その話を詳しく知りたいんです。 おばあちゃん富山県の新湊出身なんです。 新湊？そこにいるいとことは昔文通相手だって言ってました。
どうなってんだ！警察は何をやってんだ！？ちゃんと捜査してるよ！何言ってんだ？あんた！おいどうした？それがもう…！この中のどいつかが殺したんだよ！ちょっとちょっと…どういう事ですか？妻がひき逃げに遭ったんですよ！えっ？いやこちらの奥さんが行方不明になったんですが自宅前の道路から奥さんと同じ血液型の血痕が出てきてそれと車のスリップ痕と破片があったって騒いでるんですよ。 民友党議員の郡陽平と美容家八杉恭子の一人息子です。 八杉恭子の出身地は富山県新湊です。 ジョニーの本当の母親は八杉恭子だと思います。
八杉恭子さん！ご子息について伺いたい事があります。 お話というのは？知りませんがそこが何か？昭和２５年７月に行かれた事はありませんか？その人知りませんか？刑事さん私の話を聞いていますか？東京ロイヤルホテルのエレベーター内で亡くなった男性です。 彼の母親は…八杉恭子さん。 八杉恭子が白か黒か見極めるためです。 《ジョニーにとってスラム街の生活は《人間が信じられなくなるような事は《実の母に胸に差し込まれたナイフを《なぜ東京ロイヤルホテルの《ジョニーの心の最後にあったのは渋川に行ってきたよ。
あなたは八杉恭子のその隠された一面を知ってる。 あなたを殺そうとしても殺しきれず助けようとした八杉恭子の心根を知ってる。 種さんは最後まで八杉恭子の名前は出しませんでしたが語った内容は我々が推測したとおりでした。 八杉恭子の中に母親としての情がある。 ジョニーがなぜ命が尽きる最後まで東京ロイヤルホテルのスカイダイニングを目指したのか。 ジョニーの最期の思いを母親である八杉恭子にぶつけてみたいんです。 追え！追え！やめろ！八杉恭子と一緒に破滅するか…。