第5回 電脳戦圧倒的不利な局面に五反田五段が追い詰められています。 5000万件以上の医学文献を学習した人工知能が患者の診療データから病名を特定し最も適した治療法を瞬時に見つけ出す最先端の人工知能診断システム。 ああっ!五反田五段!大丈夫ですか?おい! 救急車! 急いで!あの震えは脳出血の可能性があるわね。 外科医 大門未知子またの名を ドクターXはい!五反田五段!大丈夫ですか?大丈夫なんですか?五反田さん 聞こえますか?外科副部長の鳥井です。
五反田さんは ゆうべ将棋ロボット マングースとの対局中突然 右手の痙攣が出現し意識消失した。 えっ?いや まあ… 見たところ原発性の脳腫瘍では?転移性脳腫瘍の可能性も考えられます。 脳膿瘍 73パーセント転移性脳腫瘍 15パーセント神経膠腫 7パーセントその他 5パーセント。 鳥井先生 どうやってこんな細かい数字を?これは 私がヒポクラテスを使ってはじき出した 診断結果です。 頭部以外の全身検索も行ったが異常は認められず転移性脳腫瘍の可能性は極めて低い。 ヒポクラテスがはじき出した根治療法は膿瘍摘出術だ。
あれ? なんか 俺まずい事 言った?ヒポクラテスは 信頼に値する世界最高のAIです。 五反田さん手術の同意書にサインをお願いします。 五反田五段の同意書をお持ちしました。 大門未知子先生 あなたにね天才棋士 五反田五段のオペをお願いしたいんですけどね。 ヒポクラテスの診断だ。 これ以上 何を調べる必要がある?あんた 機械が言ったからってそれを確信出来るの?そもそも なんで 脳膿瘍なの?何を根拠に言ってるの?そ… それは あの…。 鳥井先生 大丈夫。
そして 日本医師倶楽部会長として人生の上がりを間近にした時一体 いくらのキャッシュが転がり込んでくるのか。 その手始めに あなたは日本のトップである東帝大病院にAI ヒポクラテスを導入した。 日本医師倶楽部の会長にお酌をしてもらえるなんて長生きはするものね ウッチー。 立って!なんですか?日本が世界に誇る人工知能ヒポクラテスが将棋界の天才 五反田五段を診断。 医学界の未来を担うArtificial Intelligenceああ!? …あ いや。
それで 有鉤嚢虫症と診断したって事ですか。 しかも 患者は天才棋士の五反田五郎五段です。 サンキュー ウッチー!オーレ!オ~!サンキュー!神の領域に達したといわれる天才棋士 五反田五段と世界最強の将棋ロボットマングース。 「果たして勝つのは 人間かAIか…」「注目が集まります」五反田五段 見事に復帰を果たしてくれましたですね。 まさに AI…ヒポクラテスの診断のとおり脳膿瘍 これをですね鳥井先生がですね根治させてくれました。 病名は脳膿瘍ではなく有鉤嚢虫症です。 有鉤嚢虫症とは…。