私の名前は 二宮早紀港南医科大学法医学教室の准教授神奈川県警から嘱託を受けて事件被害者の司法解剖を行う法医学者である半分か…。 無念のうちに亡くなられた被害者の最期の声を聞く事それが 私たち法医学に携わる者の使命なのです黙祷。 中学時代 俺 どんくさくてよく いじめられてたろ？早紀さんは そんな俺をいつも かばってくれた。 このエリアが東署管轄内の最重要地域なのね。 早紀 あの口元の痕は なんだ？署長？ああ。 私の妻で法医学者の二宮早紀です。 こちらは今度赴任された玉田署長だ。 玉田署長…。
名前は夏井真弓 二十歳。 この浴槽で一時的に心肺停止状態になった。 お前は 法医学者だ。 骨折するぐらいだから女の夏井真弓さんには無理よね。 夏井真弓の指紋だけが検出されている。 夏井真弓は １０代の頃空手を習っていてな有段者だった。 私たちは これからあの現場にあったのと同じ家具と調度品を探してあの首や脇腹の圧迫痕が何によってできたものか調べてご報告致します。 法医学者の女房にあれこれ口出しさせるな！とかなんとか…。 えっ！ 先生邪魔者扱いなんですか？ 東署の。
事件の捜査で私たちの言う身内とは被害者と被害者のご遺族だけです。 嫉妬！はあ？ほらさ あなたこの間の中学校の同窓会の時にさ大さん橋の あの公園でさ同級生の人に手を握られたの一馬に見られたって言ったでしょ？それさ 面白くないのよ。 今度 僕の担当している家庭欄で酢の特集する事になったんだけどさ酢で作る料理思い浮かべてるんだけど酢豚と酢の物以外思いつかないんだよ。
新聞には 一緒に暮らしてた夏井真弓が犯人みたいに書いてあったんだけどそれ 違う！真弓ちゃんが犯人なんて何かの間違いだよ。 ごめんください！待ってました！実はね 事件のあった日夏井真弓さんは急に私の車の前に飛び出してきて横浜東署に連れていってくれ浜田刑事に会いたいって言ったの。 あんたが夏井真弓に肩入れしていて夏井真弓の恋人の近藤悟史とうまくいってなかったって。
早紀さん あなた気合入れてあげなさいよお尻に一発 バシーッと！バシーッ！被害者も容疑者も元美容師という事なのでええ…？駄目だ。 真弓ちゃんの事であなたに もし法医学的な疑問があるならどんな事でもいい教えてもらいたいと思って。 ねえ 倉重くんどうしてそんなに夏井真弓さんの事を？娘みたいな存在だって…。 おい 真弓！今 何時だと思ってんだ？こんな時間に出かけるんじゃない！どいてよ。 誰かが俺の名前の浜田啓司を誤解して若者たちに話しかけた。 その一人が夏井真弓さんだったのね？中でも あの子は特別だった。
今度は美容師仲間じゃなくて再来月ね 私 結婚するの。 早紀さん 大変よ！署長よ 署長！えっ！署長… 署長来てるんですか？うわあ… タカビーでおっかない女署長でしょ？違うのよ！あのね 一馬の同級生が南小田原署の署長になったらしいのよ。 県会議員の小山田耕一か…。 ひょっとして あの新聞記事ほら 最近亡くなった県会議員の奥さんの事故死。 ああ… 港南医大の二宮先生じゃないですか。 実は先日 先生が検案なさった県会議員夫人の小山田美穂子さんの死体検案書と写真を拝見させて頂きたくて。
うん？コンプレッションソックスですよ。 小山田美穂子さんは趣味のテニスで足首をひねって以来予防の意味で日頃からコンプレッションソックスを愛用してたそうです。 二度と顔を出すな！えーっ！？先生 神奈川医大の鮫島先生を怒らせちゃったんですか？うん。 んっ？ どうして？あの先生はね 元学生プロレスのチャンピオンだったんです。 なんかねもっと こう… 幅が広くって緩～い感じでコンプレッションソックスだったって言われればそうかなっていうぐらいの…。 事故死した小山田美穂子さんの夫とその検視解剖を担当した法医学者。
それで なんの権限もないのに小山田夫人の死体検案書を見せろと迫った。 二宮くんあなただって出世したいわよね？小山田美穂子の資料…。 鮫島先生はコンプレッションソックスの痕だって断言するけど…。 コンプレッションソックス？なんだ？ そりゃ。 えっ？買ってきてくれたの！？コンプレッションソックス。 小山田美穂子さんはこれと同じものを買ったそうだ。 はっ… それよ！この両足首の圧迫痕は検証の結果小山田美穂子は川で溺死した際このアンクルウェートを両足首に巻いていた可能性が高い。
だが 現場近くにいて自殺を目撃した近藤悟史にゆすられもめた際に包丁を持ち出した悟史の腕をたたきつけて骨折させその包丁を奪って刺殺。 恋人の夏井真弓も浴槽で溺死させようとした。 結果的には 真弓は息を吹き返し二次溺水になったわけですが…。 よっぽど警察を呼ぼうと思ったが奥さんの事故死の件を蒸し返されて小山田先生に迷惑がかかってはと思いとどまった。 いやいや… また 君に悟史と彼女を殺した犯人見つけたいんだよ。
あっ… 倉重くんから？ん？「二宮さん 色々ありがとう」「俺は人生の清算として「その他にも色々書き出したけど俺がやらなければならないことはたった一つだけ」「真弓の無念を晴らすことだ」「昨日公園で見つけた証拠のボイスレコーダー警察に届け出ることも考えたがやっぱり自分の手で…」「俺は犯人に会ってこの証拠を突きつけてやる」馬鹿な！相手は もう２人も殺してるんだ。
これは…！小山田美穂子さんの死体検案書を持ってきて！ 大至急！先生！分析結果 出ました。 倉重さんの手のひらの塗料は特殊なもので温度によって色が変化するんだそうです。 温度によって？常温では透明なんですが１０度以下になるとオレンジ色に。 どうだ？うーん… 首はいいけど左の脇腹に圧迫痕が全然付かない。 おい！ 本当にこの全ての圧迫痕が付く技なんかあるのかよ！うーん…。 だから 右首に圧迫痕が付く。 でも ご遺体は左首に圧迫痕がある。