今年は 初舞台から70年。 人間国宝の中村吉右衛門さんにおいで頂きました。 それにしても 初舞台から70年。 稽古中やってたら大丈夫だったんでそのまま やらしてもらいまして。 ヨレヨレ?ヨレヨレで大丈夫かと思ったんです。 ですから それを見てじじいはヨレヨレになってるのにあっ これは頑張んなきゃいけないって思って25日間 無事になんとか務めさせて…。 ねえ 菊五郎さんと お父様…こっちのお父様の間の坊ちゃんとお嬢様の間に…結婚なすって そのお子さんが…。
お母様は 初代中村吉右衛門様の娘さんでいらした俳優のお嬢様にお生まれになって しかもお一人だけだったんですって?お子様が」「そうなんです」「そしたら もう…」「因果と…」「そうすると もうお小さい時は歌舞伎俳優になりたいとかそういうふうにはお思いになりませんでした?」「もし男に生まれてればっていう…」「それじゃあお父様の劇場における公演もずっと ご覧になってらした?」「はい」「それで 何しろ世界が父で回ってますからね」「そういう家庭でしたでしょ。
とっても あの日はのどかな1日だったんですって?」「ああ~ そうですね 鎌倉で」「お父様のお家で?」「ええ ぼ~っとしてるところをこっちものどかに描きましたですけどね」「でも あなたは 昔でしたら画家になりたいとお思いになった…」「今の絵なんかは 本当にお父様の感じが なんか…」本当に お恥ずかしいんですけど」「でも 実にのどかな1日っていう感じがね」「お母様もいらしてお父様は そうやって何か読んでらっしゃるんでしょ?」「はい」「書き抜きをね 覚えてるところ…」「ああ~ そう」「それを こう あなたがねス
あっ これは初代吉右衛門が浅草に句碑が建ったもんでその除幕式に私も せがれとして参列しております。 これが4歳の時の初舞台でこれは 『逆櫓』というお芝居の子役の役なんですけれども。 この初代のやってる役がのちに立ち回りで傷を付けられて血を垂らすんです。 それで今度は『秀山祭』っていうのが…。 まあ 役者っていうのはいなくなると忘れられてしまうもんですけれどもなんとか… 忘れるには惜しい芸だなと思いまして初代の芸を顕彰して頂きたくて。 秀山っていうのは 初代の俳名。 それで『秀山祭』。