「本日は花火大会に ご来場頂きありがとうございます」「打ち上げ総数１万５０００発夜空に咲き誇る色とりどりの花火を どうぞ…」糸村さんから夕飯を誘ってくるなんてもう どういう風の吹き回しなんだ～？ああ… もう 全部素直に聞けた？うん。 酒井准教授の恩師であり農学部の学部長でもある和久井昌平学部長です。 彼女が取り組んでいるこの研究は農作物の収穫量を倍増させその食料危機を救う画期的なバイオサイエンスであります。 研究者にそんなプレッシャーかけられては。
その酒井先生はどんな研究してるんですか？バイオサイエンス。 犯行現場の防犯カメラは？客のプライバシーを守るという名目でＶＩＰフロアには設置してなかったようです。 ただ 事件の起こった部屋はヘスティアフーズが年間契約したものでした。 それは チョウザメの鱗でした。 チョウザメ…キャビアの？ウイ。 神崎さんこれ チョウザメの鱗でした。 ヘスティアフーズとの交渉は全て学部長の和久井先生にお願いしているので。 チョウザメの鱗なんです。 チョウザメは近江博物館にいるそうなんですが。
じゃあ 冨樫社長に恨みを持った方に心当たりは？それは大勢いるでしょうねえ。 冨樫先生から一規さんを一人前にしてほしいと頼まれた以上それも仕事だと割り切っていました。 小山さんは 元々冨樫大臣の公設秘書だったそうですね。 でも 冨樫社長が亡くなった以上やる事ないでしょう？酒井の研究を売り込んだ者として実用化までの道筋をつける責任がありますから。 最近 冨樫社長の周りで何か 気になる事ありませんでしたか？実は…。
つまり 冨樫社長が実用化を急かしていたのはその契約期間内に実用化をしたかったから。 冨樫社長はそのための切り札を握っていた。 あなたは その爆死した冨樫社長に訴えられてああ そう。 尚也昨日は休んでますね。 尚也と尚也のお姉さんは幼い頃に 両親を事故で亡くし父方の叔父の元で育てられました。 それから１０年 叔父の暴力に耐えかねた尚也は…。 おい！な… 何してんだ？ お前は！うわっ…！あ… ああっ…！少年刑務所から出たあと尚也は飲食店で働き出しました。
チョウザメの鱗を調べに博物館に行ってきたんですがそこの飼育係が酒井裕子准教授の弟さんだったんです。 えっ！？名前は 高橋尚也。 １６の時 養父だった叔父をナイフで殺害し少年刑務所で６年間 服役しています。 つまり 酒井裕子には殺人の前科がある弟がいたって事？そういう事になります。 冨樫社長をつけてた３０前後の不審な男が目撃されてます。 酒井裕子の弟って事…？確かに そんな事が公になれば酒井裕子の研究そのものがポシャる可能性がありますね。 爆破が起こる２５分前ＶＩＰフロアに侵入する不審な男を確認した。
裏付け捜査を打ち切れって？自分の息子が殺された事件ですよ？そんな あっさり 幕を引いていいんですか？大臣の息子の一規は叩けば いくらでも埃の出るどら息子だ。 冨樫大臣は ヘスティアフーズの大株主だそうよ。 しかも 冨樫大臣にとって息子の一規はアキレス腱だった。 まさか 自分の息子を…？裏付け捜査にストップをかけたのはそれに気づかれるのを恐れたからかもしれない。 まずは 高橋尚也の遺書の裏付けを取ってきて。 これ 高橋尚也の遺留品です。
高橋尚也は なんの目的で冨樫一規をつけてたんでしょうかね？あれ？あなた カメラ買い替えた？こっちの用件は済んだんで出てもらっていいですよ。 ガス会社のイベント？万華鏡…！使われなくなったガス管をリサイクルしてガスエネルギーについて学びながら万華鏡を作るというイベントが各地で開催されています。
糸村くん一体 何をつかんだの？高橋尚也の自殺は何者かによって偽装された可能性があります。 彼が万華鏡を贈ろうとしていた相手誰だったんですか？高橋尚也にはＳＮＳを通じてやり取りをしていた人物がいました。 今 権利を全部 ヘスティアフーズに渡されたら 困るんだよ！うっ… イテッ！大丈夫ですか？ええ。 あの… あなたの研究の権利ヘスティアフーズに渡すって本当ですか？あなたの研究手放しちゃって いいんですか？なるほど。 ヘスティアフーズよ。 酒井先生は研究の権利を全てヘスティアフーズに譲渡する契約を交わすそうよ。
えっ？相手に警戒心を持たせずに呼び出すのなら相手がよく見知っている安心できる場所が最適なんじゃないでしょうか？「大学の地下の倉庫にお土産を置いておく」「これで 永遠にあんたたち親子とは お別れだな」糸村さん…！とにかく 酒井先生を。 証拠は あるんですか？犯人は 酒井先生に研究の権利の全てをヘスティアフーズに譲渡しろと要求しています。 実際 あなた 酒井先生と契約を交わしてるんですよね？ええ 交わしたわ。
尚也は出所したあとも ずっとあんたの家族むちゃくちゃにしてやるから！あなたの同級生だった小山は１６年前の事件の真相に気づき今回の犯行に利用しました。 尚也くんが小山の指図に従っていたのは１６年前の事件の秘密を守るためです。 あなたの名誉を守るために尚也くんは あえて小山に利用されたんです。 万華鏡…？この 爆破現場に落ちていた鱗はその万華鏡に使うために尚也くんが持っていたものでした。 尚也くんは この万華鏡を愛子さんの誕生日にプレゼントしようとしていたんです。