スペシャル!傑作選「ブランド刑事2 金沢・加賀ニセ友禅殺人事件」

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桐原真実:予備鑑定捜査員通称ブランド刑事。 ブランド公認の正式な鑑定人に代わり専門的な知識を身につけた捜査員自らがいつでもどこでもすばやく鑑定を行い偽ブランドを売買する人間を摘発することができる制度のこと。 この友禅…偽物?待ってください桐原さん!バッグと着物勝手に押収してきちゃってよかったんですか?おかしいじゃない!手描き友禅ともなれば安くても何十万円!有名な作家のものなら何百万円もするのよ!えっ!?そんなに高いんですか?駅員さんの話だとこれが見つかったのは駅のトイレの用具置き場でしょ。

警視庁大塚東署生活経済係桐原です。 藍沢鶴真先生です。 …ここじゃ~!よし行こう!はい!率直に伺って…加賀友禅の偽物ってあるんですか?そうですね。 あ~!あっ裏まで染みてる!最近はプリントの技術も進んでプリントで大量生産した友禅も多く出回ってます。 あっ!ひょっとして…有名な作家の手描き友禅を無断でコピーしてプリントした偽物があるってことですか?全然違うんですね!ええ。 受賞により藍沢鶴真先生の名前は全国に知れ渡り先生の地位を不動のものにした記念碑的な作品です。

ここに入っとる番号は加賀友禅を扱う卸商社ごとに違うんですがこんな番号の証紙は登録されてません。 やっぱり偽物?ですがこの友禅…構図も色使いも鶴真先生の作風そっくりです。 鶴真先生の友禅の贋作が作られてる可能性があるんです。 先生にお目にかかることはできますか?あ…今は工房のほうで仕事中ですので教えてくれます?手描き友禅はまず最初に着物の図案つまりデザインを描くところから始まります。

これも捜査の一環!ちゃんと収穫だってあったわけだしね!収穫?どこに?友房屋の番頭も振興協会の人もなにしろ藍沢鶴真本人がいい出来だってあの贋作を認めたのよ!~あの出来がよすぎるってどういう意味です?作家当人が腕を認めるくらいの贋作を作れる人間なんてそうそういないでしょ。 友禅作家なら自分の名前で発表するでしょ!しかもすっごいいい出来なんだから。 今日見た友禅みたいにあんな高級品じゃないけど代々着続けられるってステキじゃない!ステキです!~どうも!あっ!金沢中署捜査一課の郡上といいます。

えっ?彩子:ウチではもう長いこと鶴真先生の作品は扱っておりませんパタッと鶴真先生の友禅が店に入らんようになったらしいわ。 ケガは?大丈夫です!どうしました?あぁっ!!布夕子さん!他県まででかけて死体見つけてんじゃない!だいたい誰に断わって金沢まで捜査してんだ!なんでいちいち電話してくるのよ!石川県警から報告がこっちまできてんだよ!これ以上迷惑をかける前にとっとと帰ってこい!上司でもないのに命令される覚えはありません!おい!まだ話は終わって…。 ほやけど凶器も発見されてませんし久米布夕子との接点も不明です。

もともとは貧乏な和服用の小物問屋の娘やったんですが友房屋の5代目の若旦那に見初められてあの店に嫁いだんです。 何より別れでもしたら実家の問屋と友房屋の取り引きが絶えてしまう。 ちょっと何する気です桐原さん!正太郎!友房丈也?丈也って誰ですかね?この家の跡取りでしょ。 10年前って友房屋が藍沢鶴真の作品を扱えなくなった時期と一緒じゃない。 じゃあ女将さんが丈也さんを勘当したのはどうしてですか?はぁ…では友房屋さんがお話しすることもないと思いまして…。

えっ!?友房丈也は左利きよ!じゃあ犯人は友房丈也!だとすると彩子は息子の丈也をかばってるのかもしれませんな!贋作に関して女将は何て?それが贋作の件はホントに何も知らんみたいです。 あ~っ!えっ!?やっぱり女将さんが僕を殴ってこれを持ち去ったんだ!ちょっと待って…女将は贋作作りには関わってなかったんでしょ!?はい!じゃあなんでこの贋作を盗んだりしたんでしょうか?最初女将にこの友禅を見せたとき…念入りには見てくれなかった。 だってこの贋作ある意味すばらしい友禅よ!鶴真先生の本物の作品にもひけをとらないくらい。

反対しとった女将にもワシのほうから人一倍の努力に天賦の才が合わさりワシの作業が終わったあとの工房を使い丈也は夜遅くまで何日もかけて自分の友禅を作りはじめた。 技術はあっても落款を持たない無名の友房丈也の友禅やからこそあとから落款を書き加えて自分の作品にすることができたわけやな。

やめろ!すぐにね!そこまでよ!丈也!母さん…!丹後芳信!監禁及び殺人未遂容疑で現行犯逮捕する!商標法違反の容疑もね!待て!~離せ!離せ!!ブランドってのはね大勢の作家と職人が汗水流してよかった…。 友房屋の経理も任されていた丹後は店の金にも手をつけていてそれがバレるのを恐れて贋作作りや殺人のことを丈也と女将になすりつけようとしたそうです。 でも丹後と友房丈也はどこで接点があったんです?1年前女将のもとに丈也から連絡があったそうです。

丹後は言葉巧みに持ち出すと鶴真先生の落款を書き加えては大島をとおして高値で売りさばいとったようです。 えぇあの夜布夕子に呼び出された丹後は工房から丈也がいつも使っていた裁ちバサミを持ち出した。 待ち合わせの9時10分に布夕子さんが来るのを確認すると女将に電話を入れ…。 これは間違いなく鶴真先生の友禅よ俺なんかがイメージしてたできあがりをはるかに超えてた。 俺もう一度鶴真先生に弟子入りする。 でも女将さんは鶴真先生の名誉を守ろうとされた。