旅の貧乏人は路銀使い果たして食うや食わずだ!やい!裸で飛び回るんじゃねえ。 人間裸がいちばんいいんだ。 一体お天道様どこへ行っちまったんだろう。 なんとか言いなよそこの説教節のジジイ。 あたしゃねいやしい稼業こそしてますがね他人にものを盗られて黙ってるほど弱い人間じゃ…。 旦那…旦那!こりゃ一体どうなさったんで?長雨の縁起直しをやろうと思いましてね。 こんな事が年に一ぺんあるならどんな苦労だって我慢していけるんだが。 「向こうへ来るのは紺屋のおろく」男殺しのあばずれで評判の奴だってな。
~それがし当藩城主和泉守の近習頭榊原権之丞と申す者。 同じく近習野田又四郎。 ではどうするのだ?悠然と構えて門人とではなく道場主に一手お教えをと頑張るのです。 そのようにすると道場主はいい気分になるらしく親切にもてなしてくれます。 辻月丹無外流の道場です。 辻月丹と言えば天下に聞こえた剣客だ。 そこを訪ねて勝負を挑んだのか?しかし辻月丹ともあろうものがまさか…。 辻先生は気軽に立ち合ってくださったのですが…。 すると辻先生は…。
それにくらべて殿様商売はつまらん。 重職達はみんな四角四面の石頭ばっかりだしその話ときたら面白くもおかしくもない。 ところで藩の指南番を決めたぞ。 殿藩の指南番は大役。 拙者三沢殿のご妻女にもお目にかかりましたが三沢殿同様まことによいお人柄感服仕りました。 しかし指南番たるべき者一応家中の面々を納得させるためその腕前を披露するのが慣例。 ともかくまずこの藩の指南番は俺たちの中から。 私ここの藩の剣術指南番に決まりました。
はっ本日の試合に出るはずの町道場の師範三名がいまだ参りませぬ。 試合をするのはその三名だけか?いえ当藩の者二名用意してござりまする。 使ってしまったから返せませんがこの藩の指南番の話は今日で終わりかもしれません。 実は今日庭で試合をして池にたたき込まれた。 その類のないお腕前といい高邁なる御志といい是非とも藩の指南番にと殿もご熱心のように拝されまして…。 それは貴殿が賭け試合をなされた城下町のさる道場において金子を賭けて試合をし勝ってその金子を取ってゆかれた。