福を授かるこの隅田川七福神めぐりは古くから下町の人々に親しまれそう私ども花乃屋でも先代女将から受け継いだ恵比寿様と大國様が祀られておりますあんたこそだんだん似てきたわよ。 七福神様全部お参りして福をいっぱいいただいてさぁ飲むわよ~!バンバン食べるぞ!名にし負わば~。 お女将さん大将どうしちゃったんですか?ボランティアよ。
向島虎ノ湯四代目笈川虎松!ご主人の総太郎さんは手描友禅の工芸師だとか。 あれ?知らなかったんですか?江戸友禅といやあれっきとした日本三大友禅のひとつなんですけどね。 ご主人に抵抗した様子もなく顔見知りの犯行と思われますが何か心当たりありませんか?警部さん寿美花にも心当たりはないようで…。 ~深町さん!僕が帰ったあと総太郎さんの工房を訪ねましたよね?何があったんですか?本当のことを知りたいんです!お前俺を…。 警察の事情聴取の後でずらかったんだ!やっぱりあの総太郎さんをやったのは深町さん…。
犬の散歩をしていたお年寄りが発見したんですが車は深町本人のものです。 警部深町祐介は津上総太郎を殺害しておいてぬけぬけとあの通夜に顔を出した。 これが深町祐介のズボンです。 デンプンのヨード反応を利用して生成される化学青花の成分です。 化学青花?水によく溶けて色が消えることから染め物の下絵描きの絵の具に使われています。 事件当夜深町は鳩の街にある津上の工房を訪ねた。 津上総太郎を殺害した深町祐介は追い詰められて自殺。 甲武信岳。 甲武信岳。 甲武信岳。 あ甲武信岳。
昆布茶のようなにおいがするのはこの本青花ですね。 あのそれがなにか?深町さんのズボンに付いていたのは化学成分の青花のほうなのよ。 で買い付けをしていた金沢の友禅作家っていうのはどなただったんでしょうか?主にこの方の。 一ノ瀬絹代先生の手描加賀友禅の帯ですが。 いやいやお座敷でまた寿美花姐さんにお目にかかれるとはな。 ~自殺じゃねえ?深町さんが金沢に行ったのははいって虎松さんいいですか。 僕の師匠が使っていたのは天然の本青花なんです。 深町さんのズボンについていたのは化学青花でした。
~一ノ瀬さんのお父さまの16年前のご不幸というのは寿美花のお兄さんの事件も16年前よ。 雪になりそうな冷たい雨のなか寿美花が訪ねてきてでもなんでこんなときに奥さんのお兄さんのことが…どこでどうつながってるのか全然わからないです。 何かおっしゃって?なにも!あんたたち!寿美花に負けないように出戻りの…。 この真ん中が画塾の塾長南条春信さん。 南条春信というのは先代の友禅師南条春海から受け継いだ雅号だそうで…。
津上総太郎さん!深町祐介さん…。 この2人に間違いありませんね?総太郎さんと深町祐介。 三石拓郎が師匠の南条春信に手をかけたところを見てたんならこれは決定的ですよね!でもその重要証言をした2人が相次いで死んでいった。 いろいろと熱心に調べ歩いているようですがいったい何を?退職した徳丸刑事のところにも行かれたそうですが16年前の殺人事件と何か関係があると?それが実は…。
寿美花今度の総太郎さんのこと深町さんのことと16年前のお兄さんの事件との関連どこかでつながってると思うの。 この展示会中一ノ瀬さんはずっと東京にいらしたんですか?もうよろしいですね?すみません!ちょっと戻していただけます?はい。 つまりその…こういうことか?16年前に加賀友禅師の父親を殺された娘が一ノ瀬絹代でその父親を殺した犯人の三石拓郎の妹があの寿美花。
虎ちゃん!寿美花法要すませたら待ってるから。 おめえ小春ちゃんをアリバイ作りに利用していたのか?もしそれが本当なら俺はお前を許さねえからな!寿美花。 南条春信の未発表の原画をそっくりいただいてしかし…この15年は実に長かったな春…春の落款…。 南条春信先生の友禅原画がなんでここに…。 待ってください!クッソ!おい離せ!おい何やってんだよ!先生…先生!先生!!先生!!春信先生のあっけないほどの死…。 その春信先生の死体を前にして…。 お前には才能がない…春信先生にそう言われて…拓郎が…あいつが…あいつが…。