女将さん!大変です!どうしたの?お願いします!すぐ行きますすぐ!ごめんなさいちょっと失礼いたします。 大変なんです!どうしたの?ご夫婦の痴話喧嘩ですよ。 馴染みのホステスを連れてきたご主人とひいきのホストを連れてやってきた奥さまがここでバッチリと鉢合わせしちゃったんですよ。 そうですよ女将さんが不倫なんかするわけないじゃないですか。 いいですか?あの方はお客さまで女将さんとは特別な関係など旦那も旦那なら女房も女房ですね。 でしょ?あぁあのプレゼント攻撃のオヤジですか?まさか女房が乗り込んでくるとはね。
ですから居候っていうかたちでしばらく置いてくれませんか?居候!?ちょっとねあなたいいかげんにしてくださいよ!居候は俺一人で十分なんです。 居候君!だから居候じゃないって…あっ番場さん!「居候3杯目にはそっと出し」ってな。 どうした?番場さん何かご用ですか?俺か?俺はなクラシックピアノコンサートS席2枚。 ちょっとあなた!それ以上女将さんにつきまとうとねこちらの北鎌倉刑事課の番場周平さんが黙っちゃいませんよ。 北鎌倉署の刑事課って谷山の同僚か?あぁそうだが。
番場お前昨日古川と話をしたと言ったよな?どこで会ったんだ?この先のくわのっていう旅館ですよ。 ここから30分くらいの所なんですけどね番場さんそこの美人女将と親しいんですよね?女将さんの死んだご主人と俺が親友だったんだ。 そのくわので古川は何をしてたんだ?あぁ…この男どうやら女将さんにえらくご執心だったようで半年くらい前から出入りしてたようです。 なぜそう言い切れる?ちょっと何言ってんだよ!番場さん女将さんのこと疑ってるんですか?いやいやそういうわけじゃないんだよ。
昨夜9時頃古川の家から響き渡ったのを近所の住民何人かが聞いています。 それは古川の悲鳴か?それから古川の妻真奈美なんですがホスト遊びにはまっていて坂崎学というお気に入りのホストがいるようです。 それと古川の死と関係があるっていうんですか?でも古川がなぜあんな所で死んだか知るわけないじゃない。 本当よ!番場さん!古川重明のものと思われるバッグが川の下流で発見されました!何!?おい宿帳に名前載ってんだろ見せてくれ。
古川重明さんの転落死についてちょっと伺ってただけです。 ほんとなんだ!赤木さん!このとおりだ美智子許してくれ!あんなことまで言う?最低だね。 火事で店も家も家族も失ったうえ父がいつのまにか莫大な借金を作っていて火事の1年後に赤木に婿に入った旦那さまだったんです。 やっぱり赤木は不倫をネタに古川に脅かされてそれで金を払ってたのかなぁ?これは古川死亡時の赤木の行動を調べてみる必要があるな。 これか?二人偽名使ってますけど5月9日古川重明が死んだ日二人宿泊してますよ。
どうしたの?いないんです赤木さんが!朝起きたらいなくなってたそうなんです。 嘘ってどういうことですか?それからあの晩古川が死んだ晩赤木さんこっそり部屋を出て1時間ほど戻って来なかったそうです。 じゃあ古川を殺したのは赤木ってことか…。 赤木さんあれからずっとおかしかった。 お願いします!赤木さんを助けてください。 赤木さん?もしもし赤木さん?赤木さんでしょ?ちょっと代わって!もしもし赤木さん?今三浦の三崎海岸にいるんだ。 今三浦の三崎海岸って。
あんな男はこの赤木に一切関係ありません!千里さんこれからどうするの?うちはいつまでいてもらってもかまわないんですよ。 あれ?どうしてあのとき隆さんのくしゃみが聞こえたのかしら?あのとき?千里さんの携帯電話に赤木さんから電話がかかってきたとき。 あの…ここ高倉千里さんの部屋ですよね?あの人…。 伊香保温泉の古久家旅館から転送された郵便物でしたね。
ちょうど伊香保温泉で女将の会もあることだし。 昨日女将さんが谷山の話をしたときちょっと気になりましてね調べてみたんです。 赤木さんが!?いやぁ赤木は当時高倉の主人とうまくいってなかったみたいでね。 でそんな赤木に警察が目をつけて捜査したんですけどもね赤木は完全にアリバイがあった。 はい何ですか?赤木裕也さんの携帯電話あのそれがどうかしましたか?いいえ…失礼します。 1名キャンセルで結局谷山と古川が泊まったんですよ。
なぜか古川と谷山刑事が伊香保を訪れたとき千里さんは旅館を辞めているの。 10年前の事件高倉の火事赤木にアリバイがあったとしても彼の命令で動いた実行犯が別にいたってありえませんか?赤木が古川を殺すのも赤木が自殺するのも不自然と言いたいんですよね?それ俺も言いました。 結論から言うと古川を殺したのは赤木じゃないしいいですか?簡単なセリフなら高倉千里が恋人の赤木との会話を録音してそれを編集すれば簡単に作れちゃうでしょ。 高倉千里の姉の知世。