大平台と続く温泉地を東に流れ箱根湯本付近で須雲川と合流。 そのあとは小田原市内の谷底平野を穏やかに下り相模湾に注ぐのですう～んどれどれ？仙石原宮ノ下湯本。 え？多佳子さんがか？お～？お前なにオドオドしてんだよ？あの人は今芸能組合の組合長なんだぞお前。 あっこちらね茶屋次郎先生。 かつて箱根でいちばん厳しい芸者さんにいろいろ教わりましたから。 芸者さんたちに囲まれて箱根に１泊ですか。
で？なんだって？これからはテレビのコメンテーターなんかやりたいんだって？お前そんなこと言ったのか？このバカ！俺はな老後の保証のないお前のことを思ってさ。 はいストップ！そこまで！さっきの言葉訂正します。 フフッ！乙菊さん手止めないで！この湯本で島田屋という旅館をやっております。 島田屋の支配人を務めております松岡でございます。 去年先代が亡くなって社長を継いだんだがもともと島田屋をこの箱根で指折りの観光ホテルにしたのは専務だったあの人の手腕らしいよ。 キミの名前は？島田洋介。
島田屋さんとは親戚だって言ってたね。 ですからその島田屋の社長は彼の伯父なんです。 死亡推定時刻は昨夜の午前２時から前後１時間。 出血多量で死に至った可能性もありますんで頭の傷は死亡推定時刻より前かもしれませんが。 通話記録電話会社に確認する必要があるな。 現場近くに止まってた車って被害者のものですよね？えぇハンドルの指紋は島田雄一郎のものでした。 それが社長は昨夜ずっと遅くまで社長室で仕事をしていて私と一緒にここを出たのは夜中の１時を回った頃でした。
島田屋の社長彼女にとっては父親みたいな人だったから。 超売れっ子の芸者がなぜ弁護士の夢を諦めたかってこともですか？よく覚えてるわねそんなこと。 一流私大の法学部で弁護士目指してる人が芸者さんやってるなんていうのは。 で？この人がいるってことは島田屋の社長さんの件はもうお聞きになってますよね？それで？島田雄一郎は他殺と断定されました。 先代の幸太郎さんには息子が２人いてつまりこの洋次郎さんは島田家の人間としての権利をすべて失ってしまったわけ。
だからこっちもコメンテーターだけじゃなくこの際茶屋次郎の事件ファイルってかたちでコーナーひとつどうでしょうかって提案してみたんだよハハハハ。 どうかしたんですか？茶屋先生！ここのすぐのところに島田社長の家があります。 それで島田雄一郎はこの時点でわかっているのは島田さんとその車はあそこから芦ノ湖の湖尻へ運ばれたってことです。 そしてその後の過程や犯行後現場から立ち去ることなどを考えるとそれは島田雄一郎が消えることによって芳江と利害が一致するような人物のはずです。
警察はどうも芳江さん絡みの方向に持っていきたがってるみたいだし島田家の兄弟もなんか関係が複雑みたいじゃないですか。 でも洋次郎坊ちゃんは自分がやったってお父さんに告げて…。 もともとあの子は文学とかがやりたくてだから洋次郎坊ちゃんに子供ができたって知ったとき…。 えっ？じゃあ芳江さん親子は雄一郎さんが呼び寄せたの？ええ去年先代の病気が発覚したときに。 単刀直入に申し上げて確かに島田雄一郎氏から甥にあたる洋介君を将来的に養子にする相談は受けていました。 まぁ雄一郎さんには養子になどしなくてもその芳江さん…。
えっ？でも洋介君もう島田屋の…。 洋介には将来自分に合った仕事を見つけてどういうことなんです？なんで彼女が参考人に？電話会社のほうから事件当日の島田雄一郎さんのこれって任意同行よね？は？はあ。 刑事訴訟法第１９７条一項捜査についてはその目的を達するために必要な確かにそうですけどそういうことになると逮捕状請求ってことになりますが。 でもいつまでたっても何も言ってこないしねぇあの夜島田社長が帰ってくる時間をキミ以外の人で誰か知ってる人いなかったの？早川の上流で女の死体だ。
それであの夜きちんとお話をしようと及川さん！ん？ワゴン車の後部のトランク部分からルミノール反応が出ました。 島田雄一郎のものとみて間違いないでしょう。 つまりあの夜島田雄一郎は乙菊によってそのワゴン車で芦ノ湖の水門まで運ばれたってことだ。 でも乙菊が島田雄一郎を殺害する理由は何なんです？そこだよな。 まぁ普通に考えれば痴情のもつれか？えっ！？だって島田社長は駒蝶といい仲になってたわけですから…。 すみません！いいですか？死体が発見された芦ノ湖の現場には島田社長の車も停めてあったんです。
小学校の頃から父親と２人暮らしでかなり苦労して育ったようですね。 新川美智子殺害の重要参考人として同行を求めます。 島田社長との関係を翔子から打ち明けられたんです。 お腹の子供のことも本当なのか？児玉：すべてを翔子が自分だけで抱え込んでいると知った僕はそれを島田に告げようとあの日帰宅する島田を待ち伏せたんです島田社長。 ああ児玉さん児玉：僕はすべてを告げちゃんとしたかたちで責任を取ってくれるように島田に頼みました。