何ですか？誰か辞書編集部に適任の人材…。 辞書編集部知ってた人間でも地味だとかあと何だったかな…出世できなそうとか言われて正直ムカつきましたよ。 でも営業全然向いてないからさ辞書に連れてってよ。 「右」という言葉を説明できるかい？他にも…保守的思想を「右」と言う…。 というわけで今日から辞書編集部に配属になった馬締光也君。 こちらが編集主幹の松本先生。 これから携帯電話やパーソナルコンピューターは飛躍的に普及するでしょう。
辞書とはその大海に浮かぶ一艘の舟。 人は辞書という舟で海を渡り自分の気持を的確に表す言葉を探します。 今度辞書を作ることになったんです。 残りの用例採集カードの中からこの２冊両方に載っている言葉には丸をつけどちらか片方にしか載っていない言葉には三角をつける。 他の辞書には載っていないどんな言葉を選ぶかで『大渡海』の個性は決まる。 ああもう！これいつ終わるんですか？西岡は一から辞書を作るの初めてだったか。 辞書編集者の醍醐味だな。 お疲れさまでした！辞書編集部からのプレゼントです。
そろそろ選別作業と並行して二重丸の言葉に語釈をつけていきましょう。 見出し語を外部発注と編集部で書く言葉とに分けてこの執筆要領と見本の原稿を参考にして執筆します。 外への原稿依頼は口が達者な西岡君の仕事ね。 まぁ外部発注はもう少し出揃ってからいっぺんに頼むことにしてまずは編集部で書くぶんから始めましょう。 おい馬締大丈夫か？いやなんだよお前出せって。 「林香具矢さん」用例採集したのかよ。 「林香具矢さん２７歳。 ちょっといい？「切る」という言葉にはたくさんの使用例があります。
『大渡海』。 俺は『大渡海』作りたいです。 なに熱くなってんの？あれの語釈の執筆を社外に発注してアポ取れた人誰ですか？さっき電話した古典芸能の滝野川先生は昨日『大渡海』の噂を聞いたみたい。 もう『大渡海』の原稿をこれだけの先生方に依頼しています。 今中止すると玄武書房はそこまで経営が思わしくないのかと疑われます。 『大渡海』は先行する中型辞典よりも現代に踏み込んだ内容になります。 『大渡海』が完成すれば玄武書房は２０年は安泰ですよ。
コンニャク煮付けるから味見してくれない？あ…あ…はい。 今日も僕の苦手な原稿依頼を引き受けてくれました。 えっ？全然読めなくてつらかったから今日仕事終わったあとに大将に読んでもらった。 佐々木さんまずは丸印だけのリストを印刷してください。 何ですか？全部じゃないんですけど現代語の語釈を西岡さんに書いてもらうっていうのはどうでしょうか？はぁ？俺春には異動するんだよ。 玄武書房の辞書編集部における未来に乾杯。 馬締俺コイツと結婚するわ。 麗美結婚しよう。
私シャンパンしか飲めなくて。 シャンパンか。 １３年？辞書編集部配属おめでとうございます。 何年前のファッション情報なのこれ。 ＢＬ？絶対少女漫画のほうが…。 先生ＢＬとはどういう意味でしょうか？ボーイズラブの頭文字のようですね。 おいおい！語釈が不完全になるなんて本末転倒です。 あっ！佐々木さん項目リストに「血潮」って言葉ありますか？あります。 あ～っもう！あぁ～逆にテンション高くなってきちゃったな。 心より感謝申し上げまして出版社としての挨拶にかえさせていただきたいと思います。