水曜ミステリー9「監察医・篠宮葉月 死体は語る⑮」

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この番組のまとめ

東京都内では一日約五十件の変死体が発見される。 なお現在監察医制度がある都市は東京横浜名古屋大阪神戸の5都市であるお願いします医長。 え~外傷はなく死後硬直は軽度で死斑は暗赤色調で強く発現。 後頭下穿刺によって血性髄液が確認。 以上のことによってくも膜下出血か脳内出血による病死と判断いたしました。 トップがさこうやって休日出勤してるのに篠宮先生は何?八ヶ岳?南アルプス?許せないんだよ。 最後は警察学校の先生やってたんだよね?はい。 やつの知り合いが長野の警察学校の校長でね。

はい関東監察医務院です。 左上腹部に手術縫合瘢痕あり。 心不全でしょうか?心不全の可能性は高いけどちゃんと解剖してみましょう。 左上腹部に長さ7センチの陳旧性の手術縫合瘢痕。 心不全の可能性ももちろんあるけど。 他の状況から判断すると心不全が妥当な判断なんですけどでも気になるから風間さんコーヒー入りました。 そのまま浴槽に運ばれ心不全で事故死として処理される可能性もあったんです。 浴室内での感電死は心不全ととてもよく似た状態になるんです。

あの部屋の合鍵を持っていた人間っていうのは?ガイシャは独身で家族はいない。 通いの家政婦は合鍵を持っているがガイシャとの間に何のトラブルもなく風間さん。 株式会社野々村家具。 総従業員者数235名の大手総合家具メーカーです。 殺された野々村剛は二代目の社長でした。 この会社は先代の野々村一郎社長がありません。 創業者の父親が死んで社長のイスに座りましたが会社にいるよりゴルフ場や飲み屋にいる時間のほうが長かったそうです。 風間さん!被害者の野々村剛さんが先週トラブルを起こしてました。

1週間前長野のホテル八峰苑で野々村剛さんとお会いになりましたね。 野々村って言ってもらえばわかるよ。 敦子さん野々村さんからお電話です。 野々村さん…相手は野々村って言ったんだね?はい。 野々村剛という人が殺された事件のことだと思う。 長い間やってると職業じゃなくて葉月ちゃんさ野々村家具の社長が殺された事件葉月ちゃんが解剖したんだろ?容疑者あがってんのかい?私はご遺体を診ただけだから。 野々村家具の創業者は長野で死んでるんだ。 野々村一郎。 野々村一郎?浴室で?マスター。

今の話ほんとなんですか?そんな…先生!富山先生!皆さんも知ってのとおり現代のDNA鑑定は非常に高い精度を持っています。 つまり父親鑑定の決定打となるDNAが女性には引き継がれないので難しいというわけ。 望月敦子さんつまりあなたのお母様は野々村社長には奥様と奥様の連れ子である剛さんという息子さんがいました。 野々村家の血を引く人間はもういません。 会社と野々村家の財産を受け継ぐ人間はゼロになりました。 息子の一彦は野々村一郎の子かもしれません。 だとしたら野々村家の遺産はすべて望月敦子の息子が相続します。

野々村一郎亡くなった野々村一郎さんのDNAは保存されてるの?弁護士さんが持っています。 DNA鑑定用です毛髪…毛根が残っていればDNA鑑定はできるけど残っていないと血液や唾液と違って抽出できない場合があるからな。 野々村一郎さんの死亡についてだとか?はい。 心不全でね亡くなった場合死斑はもっと暗い色に出てきますからこういう感じ。 心不全なら暗い赤か赤紫の死斑が出る。 疑われるのは一酸化炭素中毒だけどこれ…。 一酸化炭素中毒か。 この広さで換気扇がついていたなら一酸化炭素中毒は考えられない。

例えば凍死した頃を見計らって遠隔操作でお風呂を沸かした。 ケータイ会社に過去のパケット通信記録を開示してもらいました。 野々村一郎が死んだ日の17時47分剛はスマートフォンから浴室の操作をしています。 野々村一郎と血はつながっていません。 あんな女に口を出させると言うんですか?うちの会社の株は過半数を剛社長が持っていました。 安田専務彼女の言葉を真に受けるんですか?本当に社長の血を引いてるなんてことをね…。 本人は出産後にDNA鑑定を受けてもよいと言ってるんです。

野々村家具の顧問弁護士だって言った。 死後認知?野々村家の遺産がすべて手に入ると言われました。 望月敦子は返り血を浴びてないんだ。 望月敦子は誰かをかばっているんだ。 一彦君と連絡が取れないってほんと?葉月ちゃんの所にDNA鑑定書を取りに行くって言ったあとから連絡が取れなくなった。 望月敦子の息子が行方不明?まさか…逃げたか?逃げた?いや望月敦子の自白は誰かをかばっている可能性があります。

望月一彦だ。 ホンボシは望月一彦。 一彦君が…刺した?現場近くの防犯カメラに映っていたらしい。 真犯人はすべての罪を望月一彦に押しつけようとしている。 被害者ののどにあんたがずっと使っていた軍手の繊維片が残っていた。 あんたは現場上がりの副社長で今でも工場で自分の作品を作っていた。 顧問弁護士としてこの会社に尽くす義務がある野々村家の血を引く人間はもう誰もいない。 私に野々村家の財産の乗っ取りの片棒を担げと。 そう言って望月一彦を現場に呼び出した。