水曜ミステリー9「負け組法律事務所~沈黙する証人〜」

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この番組のまとめ

伊勢神宮には内宮と外宮がありましてな内宮さんに祀られとるのは天照皇大神。 今ちょっとなボランティアでガイド中なんやわ。 私深町代言といいます。 私弁護士の中里実花です。 どうせ性格がきついとか言ってるんでしょ?ボランティアガイドなさってるんですね。 司法試験合格後弁護士として虎ノ門第一法律事務所に勤務し数々の刑事事件をこなす。 バツ1で父親は深町紀世彦弁護士。 えっあの有名な深町紀世彦弁護士の息子なの?みたいですね。 刑事事件はやりたないんやろ?どっちにしてもここは刑事事件の弁護なんてめったにあらへんで。

身元は?米村佐和子64歳。 この先の鎧谷集落で1人暮らしをしとるみたいです。 こんな場所やったら目撃情報も期待できそうもないな。 へぇ~!弁論準備手続きの段階で勝負あり。 電話会議システムのおかげで相手の顔を見なくて済みます。 四日市にある簡易裁判所までの交通費もバカになりませんからうちとしては助かります。 去年飲酒運転で事故してなぁ。

松月弁護士はベテランだが地元じゃよく負けるんで噛ませ犬の負け弁と呼ばれてるそうじゃないか。 負けるとわかってるのに?所長は蘇民将来やからな。 蘇民将来?スサノオノミコトが伊勢に来たときなぁ格好が汚いっていって金持ちに宿泊を断られたん。 でも貧しくても自分の家に泊めてもてなしたのが蘇民将来。 この地方ではこうやって蘇民将来子孫家門と門札をつけた注連縄を一年中飾っとくの。 前納さんの弁護引き受けたんですね?飲酒運転でひき逃げとなれば実刑は当たり前や。 前納はなもう二度と飲酒運転はせえへんて誓うたんや。

どうやピッツァみたいでイタリアンテイストやろ?ピッツァまっつぁか。 ああそやけど前納を乗せたっちゅうタクシーも知り合いもおらへんかった。 となると誰かが前納さんを乗せて代わりに運転した。 前納は9時半頃にこの店を一人で出たみたいなんや。 もしかして深町さんも前納規夫の件担当するんですか?深町さんも犯人は別にいると思ってるんですね?いえ担当は所長ですから。 最近や当日の前納さんの様子とかお帰りになったのは何時頃?9時半頃ですわ。 卓也私の息子がタクシー会社に代行運転を頼んでましたわ。

川井君はヘルパー資格も持っとって要介護者を施設へ運んでくれておるんですわ。 資金繰りが苦してつい川井君に甘えてしまいました。 でも川井君あんな事件抱えとるとはなぁ。 あの事件で川井君が疑われとるんと違いますか。 なんでしょうか?もう一度事件を検証してるんです。 どうやピッツァみたいでイタリアンテイストやろ?ちょっとええ?こんなことになってしまったけど事務所は明日からもちゃんとやってかなあかん。 でも所長が担当していた刑事事件もあるわけやからなぁ。 あなたが刑事事件の弁護をやりたないというのは聞いています。

前納規夫の刑事弁護を引き受けています。 有罪となれば懲役15年以上は固く被疑者の年齢を考えると無期懲役と変わりません。 はい決まり!じゃあ事務所恒例気合いの儀式をやりましょう。 前納さんの弁護は事務所をあげて行いますから。 まあ前納以前はバスの運転手で親しまれとったようやけど飲むようになってからはあかんわ。 でも車には前納さんの指紋しか残っていなかった。 滝川検事が言っていた指紋というのはこのことに違いないでしょう。

武志君も前納さんのことは知ってるんじゃないかな?バスの運転手さんで優しいおじさん。 武志君!もうええやろ弁護士さん。 じゃ武志君は1人で家に?いいやわしが留守のときはヘルパーの女の子に来てもろうとんのや。 何や何や武志大丈夫か?大丈夫?武志君は何かを伝えようとしたんだと思うんです。 自分の名前で?武志君が調子がいいときだったら何か聞いてるかも。 午前零時前トイレに起きると前納宅から懐中電灯のライトのような光がちらちら漏れていた。 居酒屋おいないの店主に見えた!?老人は寺家卓次を見たと言っているんです。

ひいた人間と二度目の偽装工作をした人間が別ならありえます。 えっ犯人は息子の寺家卓也?さっきの実花さんの推理笑えなくなりました。 所長前納さんのことは心配しないでください。 所長真弥君に合わせる顔がないもんな。 所長な20年前に息子さんを亡くしとるんやわ。 所長は昔伊勢ではそれなりにやり手の弁護士でなバブル期にはでっかい会社の顧問弁護士として稼いどったんやわ。 ここを潰すようなことは絶対にしないんです滝川検事は事件の全貌がわかっている。 う~んけたし?したけ?寺家卓也じゃないとすると…う~んわからない。

前納さん川井武志君のことよくご存じなんですか?こっちを見とったわ。 前納さんは前後不覚だったわけだから懐中電灯で何かを探すなんてことはできないでしょ?そうです。 所長前納さんは犯人じゃありません!ほんまか?はい!必ず前納さんを救い出してみせます!あぁ頼むで。 さて今回争点となるのは被告人いえ被疑者前納規夫の行動です。 確かなことは事件当夜前納規夫が居酒屋おいないにいたということです。 被害者をはねた車は間違いなく前納規夫の車です。 となれば前納規夫が運転したとはかぎらない。

前納さんはあの日自転車のベルを3回鳴らしたんです。 寺家さんあなたは前納さんが犯人ではないことを知ってたんでしょ?きっとあなたは親切心で前納さんに自転車を貸してあげたんでしょうね。 あなたが前納さんに自転車を貸したと証言すれば前納さんは疑われなかった。 前納さんを救うためにはあなたが自転車を貸したと証言しなければならないからです。 道路交通法第65条第1項に何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならないという規定があり自転車も第65条第1項における車両に含まれます。