映画「蜩ノ記」(ひぐらしのき)地上波初!すべての日本人に捧げる普遍の愛を紡ぐ物

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この番組のまとめ

大殿兼通公の御側近く用人となったが七年前の八月八日事件を起こし失脚。 秋谷は学問ができたゆえ我が藩の歴史つまり家譜に取り組んでおった。 兼通公は家譜の編纂が中断することを惜しまれ死を目前に人は誰しも怖気づく。 そなたの役目のひとつは家譜の清書を使命とし切腹の日まで監視すること。 御家老中根様より家譜の清書を命じられた檀野庄三郎にございます。 この地にお国入りして以来五代藩主義兼公まで百五十四年の歴史です。 いかようにして御家の歴史編纂にあたってきたかお知りになりたければどうぞ。

中根様と私は学問剣術をともに学んだ間柄でもあったが中根様はご出世なされ今や我が藩財政立て直しの重鎮。 この家譜がまとまれば御家老様はご先祖のことを蒸し返される。 「子ノタマワク」。 「子ノタマワク」。 お由の方はもともと秋谷殿の父上に仕えていた家士の娘。 秋谷殿とは幼馴染だ。 どのような縁があったかは知らぬがお由の方は大殿兼通公に見初められ当時この藩は新たにお子を授かったお由の方と「浮かめ浮かめて」つまり不義密通として片づけられたがな。

「松吟尼様大殿よりお許しのこと。 戸田様には変わった様子はありませぬうえつけております日記にもかくたることは書かれておらずお知らせするほどのことがないまま日が過ぎてしまいました。 その様子ではなんぞ気になることでも慶仙和尚では。 松吟尼様にはお許しがございましたでしょうがあなた様はまことに秋谷殿のもとにおられるのですね。 私は髪を下ろし秋谷殿はいわれのない不義密通を問われ切腹を命じられました。 なぜ今もって腹を召そうとされているのか松吟尼様は戸田様にもお許しが出たものと思うておりました。

それで松吟尼様ではないかと思ったのです。 薫殿は松吟尼様のことをご存じだったのですか。 松吟尼様におたずねしたいことがございますがよろしゅうございましょうか。 この世に生を受ける人は数え切れぬほどおりますが松吟尼様にとりまして父は生きていく支えとなったのでございましょうか。 松吟尼様のお心ありがたきこととしてお聞きいたしました。 松吟尼様からお預かりしたものがございます。 松吟尼様に会われたのか。 お美代の方様の御由緒書をなぜ松吟尼様が。 「正月二日福岡藩士住田五朗兵衛殿より年賀の御進物これあり」。

天候不順を心配して仮に稲刈りを早めれば収穫が少なくなり十分な年貢を納められなくなる。 そのときは播磨屋さんに田んぼを買っていただき不足の分を現銀で納めるか。 播磨屋にこれ以上田んぼは渡さん。 庄屋殿は内藤作兵衛のことを覚えておいでか。 たしか十数年前自害なされた御奉行様ですな。 この住田五朗兵衛は播磨屋の先代です。 恐らくお美代の方様は播磨屋の先代の娘ではないかと。 中根様は己が権力を握るため伯父と播磨屋の繋がりを考えるとすぐに合点がいきました。 お美代の方様御由緒書を身どもにお渡しいただきたい。

郁太郎殿を見届けるだけといたそう。 御家老に急ぎお知らせいたさねばならぬことができましたゆえどことのう秋谷に似てきたな。 郁太郎殿もはや我らはなすべきことはいたしてございます。 このままでは庄三郎と秋谷の息子は死罪になるが。 ご子息の郁太郎殿は今朝方中根屋敷にのり込み伯父に斬りつけようとし庄三郎ともども捕らわれてございます。 それで伯父はお美代の方様御由緒書を渡せば郁太郎殿と庄三郎をかえし更に戸田様の助命を殿に願い出ると申しております。 お父様御家老様には助命を願うてくだされるお考えもあるとのこと。