感動の私栗原一止は信州は信濃大学医学部附属病院第四内科第三班に属する10年目の消化器内科医である栗原先生ヘリから救急部に二報入りました。 新発田大里4年目の消化器内科医。 ここにはいないが鬼切りと異名を持つ北条先生を班長とする4人が第四内科第三班の概要である600床のベッドと1,000人を超える医者がいる。 大学医学部各科の教授陣を頂点に准教授講師助教大学病院所属の医局員そこに権威という大屋根がのった伏魔殿だ。
先日の急性胆管炎患者のベッド確保のお礼のため実は1週間前誤嚥性肺炎で僕が緊急入院させた患者に余計も何もないはずです!違いますか?栗原先生。 確定診断のために私が内視鏡検査をした患者だ。 栗原先生は私の話をしっかり聞いてくれて内視鏡の説明も丁寧でした。 栗原先生に診ていただきたいです。 29歳の進行性膵癌患者ステージ4!?これだけリスクの大きい症例を合同カンファにも掛けずに引き受けちまったのか?三班は。 栗原先生!岡さんがトイレで大量下血です!パン屋のところに顔を出してから行く。
君が新発田くんの患者を担当してベッドの回転を速めたまえ。 ベッドを回すために患者の治療を変更したり無理やり転院させたりすることです。 それが大学病院だというなら大学病院とは何だと叫びたくなる。 今度オトギリソウを煎じて持ってきますよ。 オトギリソウ?頭痛に効きます。 必ず治します!オトギリソウもいいがハルの淹れてくれるコーヒーがやはり世界で一番おいしい。 《二木美桜さんの化学治療を開始して骨髄抑制がひどい。 FOLFIRI−NOXは一番強力なレジメンだしまだ2週間やっと1クール目を終えたところだ。
岡さんがまた下血?《二木美桜さんと岡さんの腫瘤は全国の大学病院では研修医の過酷な労働環境の改善のために研修医労働管理ガイドラインを制定している。 第四内科が過酷だという噂が広まれば来年度のうちの入局希望者に影響が出る。 私がせねば誰がする?二木さんかね?あいえ潰瘍性大腸炎で入院中の岡さんです。 ステロイドはどうなんだ?自己免疫性膵炎の可能性は。 膵臓の第一人者柿崎先生はなんとおっしゃってる。 《大学病院から権威と駆け引きを除いたら塵芥しか残らない。 それが大学病院ですよ栗原先生。
はぁ!?これからERCPで胆管のステントを交換し麻酔が覚めたら即帰宅でいかがでしょう?そんなことできるんですか?できるわけないよ。 若い女性のERCPは急性膵炎のリスクが高くまして二木さんは進行性膵癌です。 ヘヘヘいや私何もたいしたことしてませんけどでも岡さんは私の最初の患者さんですから極めて厳しい症例を2つも退院させた第三班班長の北条先生でありますがこのほど先生の論文が国際ジャーナルパンクリアティックメディスンにアクセプトされました。
あぁ…失礼ですがどこか健康状態に問題でも?信濃大学病院にその人ありとその名もとどろく少壮辣腕の名医でありますぞ!えぇ~いや驚いたな。 大学病院のお医者様ですか。 前回のステントトラブルのときと同じです。 でも病院には行きたくない救急車も呼ぶなとご主人に。 利休二木さんの家は安曇野のほうだったな。 大学病院の医者が医局の許可なしに往診はできない。 今医局に申請して許可が出るのは何時頃です?3日後だ。 ただでさえ三班はパン屋のブラックリストに載ってるんだ。 二木さんのERCPのとき必要以上に麻酔をかけた。
お言葉ながら無給の大学院生からアルバイトまで取り上げて一家3人どうやって暮らせと?もう結構!こんな病院こっちから辞めてやる!栗原くん…。 宇佐美先生もう少し軽い処分になりませんかね。 クリちゃんを処分するなら一緒に行ったお嬢鮎川研修医も規則にのっとり処分しなきゃ片手落ちです。 まぁ悪役くらいなら屁のかっぱだが来年度研修医から第四内科に何人入局希望者があるか。 栗原くんに渋々従い同行させられた鮎川研修医は北条先生から口頭注意で結構だ。 北条先生助かりましたお礼を言います。
ガイドラインその1患者が退院を希望した場合それが冷静な判断に基づいているか慎重に見極めること。 ガイドラインその2第一介助者が安心して看ることのできる環境か否か。 ガイドラインではなく二木さんを見てください!二木さんが望んでいるのはたった1つ退院なんです!当院の退院ガイドラインではノーです。 外村看護師長!クリちゃんが退院カンファで大学の訪問看護師とやりあって八面六ぴの大活躍…をし損ねて四面楚歌らしい。