日本の話芸 落語「幾代餅」

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このごろは 物事というものが大変 便利になりまして絵草紙屋さんというのが大変 人気がございましてそこで いろんな情報を得ていたようでございますね。 まぁ そんな事も昔は 絵草紙屋さんという所でいろいろ 情報を みんなに配っていたようでございますが。

「恋煩え? 野郎がかい?でかしやがったね おい。 働くよりほかに 能の無え野郎かと思ったが 恋煩えか。 「それも何だっていうじゃねえか吉原の幾代太夫だってな~?会えねえくらいなら死んじまったほうが いいって?誰が 会えねえってそう 言ったんだ?」。 向こうは売り物でこっちは買え物だそんなに お前 幾代太夫に会いたかったら 一生懸命 働け。 一年も働きゃ 相当 金 貯まらぁその金 持って 吉原 行ってこい。 お前一人で 行きづらきゃ俺も 一緒に 行ってやらぁ。

野郎 去年 人形町の絵草紙屋で吉原の幾代太夫の錦絵 見て野郎 それに恋煩い。 ただこれだけは覚悟しといておくれ話は してみる話は してみるがなもし 幾代太夫が一度でも 首を 横に振ったらそれから先どんな事があってもお前さんは幾代太夫には会えないよ。 清蔵さんというがね無理は承知だ 幾代太夫に道を つけちゃもらえんかな?」。 さぁ 清蔵は一年 恋い焦がれた幾代を初会でもって ピタリと目の前へ座らす事ができる。