日本の話芸 落語「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」

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これはどことも あてどもなく 往来をさまよい歩いておりましてね人の顔さえ見りゃ 百年もかわいがられた狆ころのようにこういう所へ扇子を あてがいましてね「よう よう よう どうも 大将すごい」ってな事 言ってね手前のほうがよっぽど すごいんですがねお客様のことを「大将 大将」って 別にね戦に行った訳じゃないんですけれどもね。 師匠に そう 言われてるんだよ幇間は 物覚えが悪くちゃいけないって言われてるんだ。 どうも 大将 しばらくです」。

近間 結構ですなどこへ行きましょう?」。 しばらくね 鰻にお目にかかってないもんでねえ~ 鰻が食べてみたいな〜と思ってたとこでございましてな傾いてたって 結構でございますからね 是非 お供を願って」。 「あっ 左様ですか?それでは家来は お先に 失礼を致します」。 家来が… え~ ヘイヘイ ヘイヘイエエ〜ッ。 いや 久しぶりの こんな 結構なご酒を頂戴致しましたよ~。 家来がね 毒味を致しましてそれから 大将が お箸をおつけになって頂く ええ。

久しぶりにねこんな結構なね鰻を頂戴致しましたよ ええ。 大将に お会いできなければね今時分は あそこでもってね行き倒れになってます ええ~。 私ゃ お前さんをここへ連れてきて ご馳走してね客面しようなんて了簡は無いんだから。 友達づきあいでいいんだから友達 友達 ね?年は若いけど 枯れたもんだよ。 「ア~ッ うまいな〜だけど なんだな〜 ええ?『私ゃ お前さんを ここへ連れてきてね ご馳走して客面しようってぇんじゃないんだよ うん。 友達づきあいでいいんだよ。

トントン ストストントン トトンガトントン スットントン。 「お勘定と申し上げましたら 『俺はこんな浴衣を着て お供だから2階に 羽織を着ているあれが旦那だからあれから もらってくれ』とこう 仰いました」。 鰻屋の徳利なんてぇものは無地にしてもらいたいよ。 絵が描いてあるんでねその絵も いいよ ね?山水か何か 描いてあるんならおつなもんですよ?この徳利の絵を ご覧よ ええ?恵比寿様と大黒様が相撲を取ってるんだ。