日本の話芸 落語「中村仲蔵」

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この番組のまとめ

江戸には 「三座」と申しまして大きな劇場が 3つ ありましてここにはその 千両役者というような正式にはこれは 「下立役」と申しますが俗に 「稲荷町」なんてぇ事を言いましてこれは 楽屋を入りますと今でも そうですが必ずお稲荷様が祀ってございますこれは 火伏せの神様という訳でこの お稲荷様の奥にあった部屋で 後に 千両役者になりました初代の中村仲蔵が下立役で 稲荷町に入ったのが仲蔵 19の年でございましてもっとも この人は それ以前にも子役で 舞台を踏んでおりますがお父っつぁんが 長唄の唄歌いおっ母さんが踊り

この定九郎 一役というので書き抜きを見てがっかり致しましたがまず 第一に お客様が舞台へ 目を向けてくれる事をこれには何か もっと ふさわしい身装があってよさそうなもんだ」と思案をしたが なかなかいい考えが浮かびませんで日頃 信心をしております柳島の妙見様へ一七日の願がけを致しましてその道すがらも 油断なく「生きた手本はないか」と目を配っている。

で 考えまして 黒羽二重の紋付これは 「鷹の羽のぶっ違い」に致しましてこれは 殿より拝領の紋服という考えでございましてこれを 熊の皮で張らせましてこれは なで上げた時に明和3年の8月の18日初日だったそうで真っ白に塗り上げたから相部屋の役者が驚いて…。 舞台のほうでは「木魚入り」の合方で与市兵衛が 本舞台へ かかろうというところでございまして…。

懐から取り出した財布こいつを 口へ くわえて月代を パ~ッと なで上げた渋い声で 一声「50両~」と にんまりと笑ってで クルクルッと 巻いて懐へ入れながらヒョイッと死骸に気が付きますんでこれを 足で転がしていきます。 ♪「ヒュ~ テレツク テレツク テンテレツク」と「早船」という忙しい囃子になりまして傘を拾って ポ~ンと肩開きにして ひっ担いで花道の かかりまで来てヒョイッと 見る向こうから 猪が来るという思い入れがあって慌てて 元へ引き返します。