日本の話芸 落語「夢金」

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この番組のまとめ

こんな シ~ンとした所でもって2階で 『百両』の『2百両』のまぬけな押し込みが金勘定でもしてんだと思って押し込んできたらえらい事になっちまう。 主が お世辞を遣いながら侍の様子を窺いますと年の頃が35~36でございましょう色の浅黒い 目のギョロリっとした小鼻の開いた 鰐口額の所に 面擦れというタコが出来ております。 着ております物も柔らか物ではございますがこれに 嘉平治平の襞の分からなくなった袴を着けますてぇと 破れ柄剥げ鞘の大小を落とし差し素足に 駒下駄という出で立ち。

じゃあ 私の後ろ 回ってねチョイト 肩の所へ手 載っけておくんない。 チョイト 中 入る時は気を付けてくんなさいよ。 吉原の芸者は 屋根舟に乗る稽古をするぐれえのもんでねいきなり頭のほうから 行くてぇと大事な物 ポキッと やったり 川の中落っことしたりしますから。 よろしゅうございますか? 前をチョイト こう 挟んで頂きましてで 内の所へ 手 かけてね矢立の筆じゃねえけども足のほうから ス~ッ。

『箱根山駕籠に乗る人 担ぐ人その また 草鞋を作る人』ってな。 アア~ッ チクショウめ。 ええ?『たまたまの雪の夜に起きな 起きなと 起こされて寝ぼけた顔の ありさまは牡丹に戯る 獅子と蝶大川を 横へ 三筋の渡し守辛い稼業でございます』ときやがったな~。 「ヘッ 収まらねえ チクショウ。 エヘヘヘ どういたしまして。 出すもん 出さねえで妙なまね するてぇと舟 ひっくり返しちまうぞチクショウ。

貴様に 少々 相談がある。 金儲けだが 半口 乗れ」。 「左様でございましょうだいぶ お顔形が違うと思っておりましたが エヘッだんだん 騙して訳を聞いてみるとな店の若い者と不義を致し其奴が いかさま暇と相なったらしい。 人殺しの手伝いは勘弁しておくんねえな」。 武士が 一旦大事を明かした上からは口外されては露見のおそれがある。 左様 首尾よく参れば骨折り 酒手 両用を兼ねて2両を つかわす」。 ただ 体を 細かに動かしてるだけなんだ チクショウ。

奴さん 怖いのと欲の両用でございましてせっせと 舟を 中州のほうへと漕ぎ寄せて参ります。 侍は 袴の股立ちを取りますと刀の目釘を湿しましてその上に 真っ暗な中に白く ぼんやりと中州が見えて参りましたんで…。 「ハッハッ いい按配に飛び上がりやがって チクショウ。 おう 手前泳げねえって ぬかしやがったなこれから 潮が満ちてくるてぇとその中州は 無くなっちまうぞ。 てぇと 手前の名前は聞かなかったけどもな朝になるてぇと 間違いなく土左衛門と名前が変わらぁ チクショウ。