背景にはスンニ派住民の多い地域で勢力を急速に拡大させているイスラム教スンニ派の過激派組織の存在があります。 資金、そして軍事力もあるこの過激派組織は、今月10日イラク第2の都市モスルを僅か1日で制圧しました。 スンニ派の過激派組織とマリキ政権率いる政府軍の戦闘が激化する事態となっています。 過激派組織は、なぜこれほど短期間にモスルを制圧することができたのか。 今や世界で最大規模のイスラム過激派組織となり戦闘員を続々とイラクに送り込んでいます。
あっという間に、モスルを制圧した過激派組織ですけれども、その背景には、旧バース党の残党、あるいは旧イラク軍の幹部たちが協力したというのもあると思います。 毎月給料を払ってて、政府側に取り込んでて、治安の維持に当たらせてたんですけど、アメリカ軍が出ていったあと、マリキ政権はこの人たちを切っちゃったんですね。 特にまあ、サダム・フセイン時代は、シーア派は徹底的に弾圧されでももし過激派が支配する、そして地域が固定化されるとなると、怖いですね。
アメリカは、これまでシリアのアサド政権の打倒に向けてスンニ派の反政府勢力を支援してきました。 この過激派組織に対して今、アメリカと敵対するシーア派のイランなどが抑え込みに動きだしています。 アメリカに残された選択肢はイラクに挙国一致の体制を取り戻させ過激派組織の弱体化を図ることです。 援助を止めたら、アメリカはじゃあ、軍事力でアサド政権倒してくれるのかと、サウジアラビアなんかは開き直る傾向があって、アメリカにとってもかわいくない国々ですよね。