それは一人息子の留治郎というのが道楽一つ するでなしお店大事と 一生懸命に 働いてくれるからでもございました。 小西屋 大野屋駿河屋 美濃屋といった連中はなお父っつぁんの代わりで若旦那出会いが来てなさる。 そしてな 幾日何十日その方々が 流連をしようともお前も 一緒にいなくちゃならない。 明くる日 銚子観音前の茶屋旅籠吉野屋へ参りました。 オ~ットット ホホホ こぼれますよ。 あいつはねとにかく頭が固いなんてぇもんじゃない石部金吉 金兜叩けば カンカン 音がする。
鶴屋のね 二枚目のね紅梅という花魁が俺の馴染みでね紅梅の 紅というのはね紅って書くんだよ」。 ひな鶴花魁あれは いい花魁だ」。 「そう?じゃあね ひな鶴花魁はここで コチンコチンになってるこの 初めての留治郎さんに持つ事にして「まあ~ まあ〜 まあ〜 まあ〜まあ〜 まあ〜 まあ〜ようこそ おいで下さいましたいらっしゃいまし。 まあ~こちら様が ひな鶴花魁。
お家の お金をそっと 持ち出しては番頭の目を盗んで何日も 流連をするといった有様でございました。 あのねそれは いいんですけどねこの間 私の手文庫から10両 持ち出したんですよ。 留治郎 留治郎 こっちへ来い」。 勘当 勘当なんてそう 何回も 仰らずとも。 花魁が 『この度は どういう首尾で?』と申しましたので『おっ母さんの手文庫から 10両持ち出した』と言ったらね『あらっ そんな事 なさいますと先が続きませんのでどうぞ これはお持ち帰り下さいまし』と返して寄こしたんでございますよ。
「で お父っつぁんとこうやって 膝を突き合わせて話す暇が無かったんで お話できなかったんですけれども実はお父っつぁんに ちょうどいいちょっと 年増の花魁がいるんですけれどもね名前は 紅葉と申しましてね紅の葉っぱと書くんですけれどもね」。 飯岡助五郎の子分といいますから「もぐら」なんていう名前が付いてるぐらいで今日しも 弥蔵という格好でお腹を ポンポン 叩きながら大儲けをしたと見えましてやって参ります。 「まあ~ まあ〜 まあ〜 もぐらの新助親分じゃございませんか。
どんどん 食べてガブガブ 飲んでちょうだいよ。 チャラ スチャラカ スチャラカ チャンチャン。 あっちを突っつきこっちを突っつきガブガブ 飲んでムシャムシャ 食べてガブガブ ムシャムシャガブガブ ムシャムシャ。 ♪「サ~サ 浮いた 浮いた瓢箪ばかりが浮きものか」♪「私も このごろ 浮いてきて朝 来て 昼 来て 晩に来て」♪「そうして お宿を しくじりなその時ゃ 高見の見物だ」♪「チャラ スチャラカ チャンチャン」「ワ~ッ ワア〜ッ」。 ガブガブ ムシャムシャ ガブガブ ムシャムシャガブガブ ムシャムシャ。