日本の話芸 落語「居残り佐平次」

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この番組のまとめ

ですから しんから惚れたりなんかされると中でも 四宿と言って各街道の親宿でございますがここは一応 江戸の外という事で幕府準公認という事になっておりましてその中でも 品川という これが吉原に次ぐ 繁盛だったそうで「お~い。 それから 飲み物は まぁビールで うがいをしといてこれから 座敷が変わって見通し二階という広い座敷へ通されましてここへ 芸者が入ってくる。 『まぁ なろう事なら海辺か何かのな空気のいい所でもって ゆっくり養生したほうがいいだろう』まぁ 東海道筋だけだっていくらでも あらぁ。

これが 朝 なかなか起きて参りませんでかれこれ 11時見当で。 いや 稼ぐのも 稼ぐがね野郎たちは まぁ遊ぶのは派手だからな。 ええ?え~ 湯上がりで湯豆腐もないだろう。 それで 一杯 飲んでな? 残ったやつは茶漬けだよ。 茶漬け 鰻茶。 『それを 鰻茶の種にする』ってくれえのもんだ エヘヘ。 そういう事は お前 一時忘れてんだよ 勘弁してくれ」。 あ~ 昨晩の酒でガッタリきたからねトロ~ンとしてきた。 枕 取ってくれよ」ってゴロッと 横になって スヤスヤ スヤスヤ。

この時間になっちゃって お前女郎屋の敷居 内側から跨げるかい。 そうしますとあの~ 御勘定でございますが」。 若い衆が羽目板 叩いて 鼠鳴きだ。 『チュイ~ッ』ってのを時分で 見ててみな ええ?坂の上から 威勢のいい車が3台 コロコロコロ~ッて やって来る。 見世の前 ト~ンと象っ鼻 突きつけるだろ?車から降りてくるのが誰あろう 昨晩の3人だ。

ね? 千両 万両 ひっ担いでエンヤラヤってやって来るのを 何のかんのつないでる この身の辛さ。 来ますよ札束 ねじ込んで エンヤラヤ」。 「そのエンヤラヤは よろしいんですがねだったら その お友達の所へえ~ 手紙でも持たせましたら?」。 話 しようか?一昨日の晩 俺は 新橋の軍鶏屋で一人で やってたんだよ。 じゃあ お仲間入れて頂きましょう』ってんで衝立 取っ払ってえ~ 四海傾城ってんでここでもってな 話が弾んで『このまんま お別れってのは残念ですな。

さぁ こんな厄介者が転がり込んできて この見世がこれでもって 暇になるかと思うと そうでなかった。 そこが 縁起商売 水商売の面白いところでその晩 明くる晩と かえってふだんよりも忙しいくらいで。 廊下ばかり バタバタ バタバタええ? 走ってやがってちっとも 面 見せねえじゃねえか。 私はこういう 小さい物は苦手でねあなたの後ろの違い棚に清水焼の六兵衛さんの湯呑み茶碗があるでしょう?それ 取って頂きたいな」。 「お前 酒 湯呑み茶碗で飲むか?」。 「湯呑み茶碗のほうがいい。

大将こういう話 知ってますか?『向こうから 清兵衛さんが来ましたよ。 清兵衛さんと清兵衛さんがド~ンとぶつかって 喧嘩になったがこぶができて 仲が直った』っての 分かります?」。

「昨日だって そうだよ お前烏森の連中が 大一座で来て『居残りを呼んでもらいたい』『居残りさん あちらのお座敷で塞がってます』『構わねえ もらいを かけろ』って芸者みてえな騒ぎだよ。 十八番 お座敷よ〜』つったら『へ~い』素っ頓狂な声 出してじんじん端折りで扇子 1本 持って『チャラチャッチャン チャラチャラチャッチャン』って踊りながら やって来て『おや 蒲田さんに新橋さん 品川屋さん』人員点呼でもって 一緒にかき集めてやがんだ。 旦那の七寸五分は 私も同じ足袋も 十文三分でピタリ 合うんでございます」。