日本の話芸 講談「寛永三馬術 出世の春駒」

戻る
【スポンサーリンク】

お供の大名 36頭 前供 後供粛々として千代田の城をお立ち出になられやがて 芝三縁山広度院増上寺に ご到着。 思わず 家光公馬足を止められ 山上を見ると余は 城中の土産にいたすぞ」。 諸角 蹴込んで 馬を 煽って円福寺の門内に乗り入れましたるから居並ぶ ご家来方は びっくり仰天。 源氏の長者 征夷大将軍という御大切なる 御身をもって改めて 松平伊豆守がお供の大名方へ「馬術心得の者を選抜して山上の梅花を折り取るよう」そのまんまガラ~ン ガランガラン… ドタ〜ン。

四国 丸亀の城主生駒雅楽頭の家臣十分な身支度をいたしやや あって馬上の人になり悠然と 立ち現れました。 歩く度ごとに ヒョコタン ヒョコタン ヒョコタン。 あきれ返って 見ておりますとヒョコタン ヒョコタン将軍家の御前に 馬を進めました。 ヒョコタン ヒョコタンしながら 石段の下に。 で 馬を止めて 坂の上をジ~ッと 眺めておりましたがまた ヒョコタン ヒョコタン 戻ってくる。 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」。

左に見えるは 安房 上総前は 渺々たる青海原沖の辺りに真帆片帆さて うららかな眺めじゃのう」。 愛宕山円福寺の ご本尊は将軍地蔵菩薩。 梅園に 源平の梅花が時を笑顔に咲き競っておりますので紅梅と白梅枝ぶりの良い所を切って落としこれを 白紙でもって根元を しっかり 巻きつけるとてっきり 馬公は 帰りは緩やかな女坂から下りると思っておりますからそっちへパッパッ 行こうと思うと…。