岡倉天心といえば日本の伝統美術の世界に示した人でもあるし近代日本美術界の骨組みをつくった最重要人物でも ありますからね。 指導は風変わりで 例えば「明月」という題を出しても菱田春草が 美術学校を卒業する際に描いた作品…花鳥風月を 主な画題としてきた従来の日本画には あまりない最後に 天心の裁決で絵は最優秀となりました。
それを学ぶことによってわれわれ自身の表現方法に天心は 弟子たちに 日本画の要とされてきた「線」を使わずに朦朧とした大観の絵。 朦朧体の特徴が最もよく出ているこの部分を再現します。 ところが 朦朧体の場合は岩を表現する線がないのでぼかしだけで 岩の形とか ボリュームを作っていくって事ですね。 こうした油絵のような混色は 従来日本画には なかった手法です。 朦朧体の代表作と言われる「菊慈童」を見ていくと色と色を混ぜて中間色を無限に作っていくっていうすごく理論的な技法が使われてるわけですよね。
「模倣は それが自然の模倣であれ昔の巨匠の模倣であれ五浦の苦難を経て近代日本画の名作が生まれました。 天心念願の新たな近代の日本画がまさに「落葉」で ようやく誕生したという感がありますけれどもここに至るのは やっぱり五浦での日々があったからこそ?五浦で間違いなく 朦朧体の次のステップに進んだんですね。 天心は 五浦で本当に自分についてくるあるいは 自分の指導を ちゃんと全身をもって やれてる画家だけピックアップして連れてきてここに籠もって 制作に励ませたという事ですね。