以来15年 作品ごとにテーマや文体をガラリと変えながら平野が芥川賞を受賞した同じ年世界7大陸最高峰への登頂を果たした。 25歳での達成は当時の世界最年少記録だ。 アルピニストと作家2人の世界が交錯する。 写真は すごくアルピニストっぽいですけど部屋は 何か割と…。 クレバスによって雪崩の勢いが奇跡的に弱まり野口たちは九死に一生を得たのだ。 10年以上野口と行動を共にしている。
ですから ヒマラヤの中に行くとまあ 危険な所ですからね。 僕 ある時にヒマラヤのマナスルという山に行ったんですけどここは雪崩がすごく多くて雪崩ばっかりは気を付けようがないので確率なんですよね。 「何で そんなに匂い 嗅ぐんですか?」って言ってきたので実は 僕は ヒマラヤへ行ってヒマラヤって匂いのない世界で匂いがないって 命がないでしょ?不安になって だから関西の方 何でも作るんですよね。 それで僕 その缶詰持ってヒマラヤ行ったんですよ。
主人公の土屋徹生も その一人。 『自殺したの! 自分で会社の屋上から飛び降りたの!わたしと璃久を置いて!どうして? なんで自殺したの?教えて どうして…』」。 そんな平野に 野口はヒマラヤで撮った一枚の写真を見せた。 エベレストの場合だと 下山中に過去に滑落して 落ちていった登山家のなきがらがいろんな所に引っ掛かったりするじゃないですか 岩とか。 一緒に下りた英国人の若かった登山家は山頂の所から ワ~ッと大暴れして最終的に 彼は 自分でカラビナを… ザイルを外してポンと飛んじゃった。
野口は 16歳でモンブラン17歳でキリマンジャロに登頂。 そして 野口は植村もなしえなかった1999年 最後の難関 エベレストに3度目の挑戦で到達。 実は この1年前野口は エベレストの頂上直下で壮絶な体験をしていた。
だから 例えば1LDKとかで結婚してて15世紀末のフランスを舞台に若き神学僧 ニコラの神秘体験を描いた。 「日」っていうのは舞台を過去としてますが火星有人飛行などSF的な仕掛けの中に新たな人間関係の希望を描く。 「かたちだけの愛」は事故で片足を切断した女優と彼女の義足を作る事になったデザイナーとのドラマチックなラブストーリーだ。
だから そういうので ちょっと最初の方は 文体の調整と主人公のキャラクターの調整が一体になっていて。 物語の出発点は 主人公が病院で「あなたは 3年前に死んでいる」と告げられるシーン。
記憶とか影響とかこのテレビに映ってる記録とか「たとえ この意識が消滅し未来に 何の自由もないとしても自分は 璃久や千佳の傍らに在り続けられる。 いつまでも自分の存在が死後も 残り続けて次の世代を生きようとしてる人たちに影響を及ぼし続けるっていうのも昔は それを願う気持ちもいいなと思ったんですけどだんだん 何か それもちょっと あさましいというか。